2009年5月21日木曜日

スリランカ ご弘通史 ④

● 2005(平成17)年11 月 妙深寺高祖会にスリランカ信徒を招待

 佛立開講150 年を目前に控た2005 年、この一年は、スリランカ支援活動をはじめ、まさにスリランカ・イヤーと言える年でした。その年末の高祖会に、スリランカからご信者14 名が来日されたのです。交流会や同時通訳を介した生の体験談など、それはまさにこの年の集大成とも言える高祖会となりました。

 海外弘通の意義について、ご住職は妙深寺報11 月号で次のように述べられています。



『妙深寺に所属するご信者の中に、「なぜ妙深寺が海外弘通に積極的なのだろう」「海外弘通に時間やお金を使う必要はないのでは?」と疑問を持っている方がいるかもしれません。しかし、日博上人の海外弘通への情熱はもちろんですが、私は今の私たちのため、妙深寺のため、今の国内のご弘通、日本人のご信心増進に不可欠だと考えているのです。 法華経のご信者に対して「一代法華」という悪言があります。法華経の信仰に目覚め、燃え上がるようなご信心を体得しても、それが初代のご信者のみで尽きてしまい、後の二代目、三代目まで続かないという悪い事例を表した言葉です。この言葉は、昨今の私たちにも当てはまるのではないかと考えます。
 私たちの「心」は、本当に移ろいやすいものです。心の状態を、そのまま維持することなど至難の業です。喜怒哀楽、心は浮き沈み、熱しやすく冷めやすく、心を掴むことも、伝えることもまま成りません。ご信心も同じです。 時間の経過とともに、ご信心は心を失いがちになります。世代を経るごとに、ご信心の「形」は受け継がれても、「心」は受け継ぎにくくなります。しかも、時を重ねれば行儀作法が増えて、体面上は難しくなることも否めません。本来シンプルな佛立信心が、いつの間にか複雑で難しいものになってしまう。すると信心を、上辺の形式的なものだと勘違いをして、既成仏教化、檀家化が進むと。それは、開導聖人がご開講された時に批判していた他宗の寺院や僧侶、檀家と同じような状態に、気づかぬ間に私たち自身が堕してしまっているということです。
 妙深寺の方は、海外のご信者方が異口同音に私たちに送ってくれるメッセージの内容をご存知でしょう。昨年の門祖会、イタリアのご信者方からのビデオメッセージ、マッシミリアーノさんが本堂で語ってくれた「御題目のご信心で私たちがどれだけ救われたことか。あなたも救われるはずです。一緒に御題目のご信心に励みましょう」という言葉。インド開教の先鞭を担われたラジ女史は、「私は幼少の頃からサンスクリット語を勉強してきました。古代インド語であるサンスクリット語は世界中で最も美しい言語でしょう。ですから、私は法華経の原典も読むことができました。ただ、私は御題目をお唱えすることこそ法華経の真意、仏陀の真意であることを知っています。何というありがたいことでしょうか」と言われています。
 今年8 月、法深寺の清水御住職がブラジルに渡伯され、ご家族にインタビューして帰国されました。そのビデオでも「御題目をお唱えすることが、どれだけありがたいことか。みなさんで一緒に御題目をお唱えしましょう。必ず御利益を頂きます」と確信を持って、ポルトゲスで、日系三世の方たちが私たちに話してくれています。
 今の日本の私たちは、豊かすぎて見過ごしてしまうことが多すぎます。小さな土俵の中にいるから、気付けないことがあるかもしれません。もしかしたら、開講当時、安政年間の俗歌、「安政の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船) たった四杯(隻)で夜も眠れず」のように、太平の世に慣れ果てて、ペリーの黒船来航によって眠りを覚ますことになる民衆と同じくらい、大切なものを見失っていて、海外の人から佛立信心の尊さ、御題目口唱の素晴らしさを教えられる、気づかされるのではないでしょうか。
 人生の幸不幸は、物質的な豊かさでも、知識の多さでもなく、本当に充実して、心豊かな生活を送れるか、否かです。それを得るためには、正しい信仰を正しく行ずること、その生活は欠かせないのです。そのことを、海外のご信者方との交流によって気付かせていただきたいと願っています。一天四海皆帰妙法の祖願を果たすためであることはもちろんのこと、高祖会に際して海外信徒の素直なご信心と、あの光り輝く瞳をご覧になって、佛立信心再発見、ご信心の改良をさせていただければと思います』

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