神戸・香風寺での開導会から横浜へ。
先週末からのご奉公は、精神的な重圧の大きなご奉公だった。名古屋で中浦さんにお会いできたので、少し救われた。本当に素晴らしい方で、不思議と心が通じてしまう。魅力に溢れた方だ。堀くんからのメールも嬉しかった。重たい気持ちをすくい上げてくれた。
こうして、人は、人との結びつきによって、支えられているのだと思う。その絆の中心にご信心がある。世間の人間関係では得られない、打算も何もない、まごころでの縁をいただける。だから、ご信心の中での人間関係は、本来の、清らかなものでなければならない。ここが濁れば逃げ場がない。残念ながら、「古法華利益なし」ではないが、信心も長くなると、人間関係でもお寺とお寺の関係でも、教務と教務の関係でも、何か世間ずれしたものが生まれてしまう。それこそ、輝く真実の仏教のベネフィットを失わせる原因。救いから遠ざける要因。仲良しはいいが、それだけでは佛立本来の素晴らしさを体感できなくなる。救えなくなる。
香風寺でのご奉公は、本当に有難かった。ご弘通とご信心だけでいける、ご奉公できる場として、緊張はしていたが有難かった。御法門は、少し時間オーバーしてしまったけど、海外弘通から学ばせていただいたことをお返しする気持ちをこめ、国内の佛立教講が改良すべき点もふくめて、拝見させていただいた。
御教歌「やみ重み医者もすさめぬ貧乏人 いたくなわびそわれぞたすけん」
佛立信心とは、佛立信者とは斯くあるべし。そのスピリット、魂を教えていただく御教歌。信心している、参詣していると言っても、分かっているようでも、本当の、本物の、佛立信心を知っているか、分かっているか、出来ているか、ということ。そこに気づかなければならない。
佛立信者は、普通の人、世間の人なら相手にしない、遠ざける、遠ざかるような人にまで、御法の御力をいただいて、手を差し出す。手をさしのべる。「私がついている」「私がいるからね」と、どんな人に対してでも言えるような人間、信者になりなさい。その心構え、そういう人間性を教えていただく御教歌。
「やみ重み医者もすさめぬ貧乏人 いたくなわびそわれぞたすけん」
現代の私たちには馴染みの薄い言葉が2、3入っている。それもそのはず、実はこの御歌は古今和歌集の歌を開導聖人が引用しつつ、ご信心的に詠んでくださっている。
その古今和歌集の歌とは、「山たかみ人もすさめぬさくら花いたくなわびそ我見はやさむ」という歌。「山が高すぎて人もあまり見ない。近づこうとしない桜の花がある。桜の花よ、そんなにひどくしょんぼりするな。僕があなたを、桜を、観てあげるから」と。そういうことを詠んだ歌。この歌、素晴らしい情緒を詠んでくれているなぁ、と思う。この歌を感動聖人は引かれた。
「山たかみ」は「やみ重み」。病が重くて、お医者さんさえも診てくれない、近づこうともしない。そういう貧乏な方がいる。そんなにしょんぼりすることない、僕がついている、私があなたの支えになる、あなたを助ける、と。なんて暖かくて、有り難い。佛立信者ならではの心を教えてもらっているだろう。
真実の仏教徒、佛立信徒には、何の壁もない。何の壁も作ってはならない。そこに手をさしのべ、立ち入り、ご奉公させていただくのが私たちなのだ。そこに壁を作るあらゆるものを恐れなければならない。私たち佛立信者の心の中に生まれる「古法華」、「甘え」「情実」だけがおそろしい。それ以外は、飛び込んでご奉公し、御法の御力をいただいて、必ずその人の支えになれる、救えるご信心をさせていただいているのだから。
そういうことを、説かせていただいたつもり。福岡御導師の前で御法門させていただくのは、ヘビに睨まれたカエルというか、先生の前で説く生徒のようなものだから、困りに困ったが。
でも、ご奉公させていただけて、本当にありがたかった。
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