(中略)
此の大難の来たるは過去の重罪の今生の護法に招き出だせるなるべし。
(中略)
我並びに我が弟子、諸難ありとも疑ふ心なくば、自然に仏界にいたるべし。天の加護なき事を疑はざれ。現世の安穏ならざる事をなげかざれ。我が弟子に朝夕教へしかども、疑ひををこして皆すてけん。つたなき者のならひは、約束せし事を、まことの時はわするゝなるべし。妻子を不便とをもうゆへ、現身にわかれん事をなげくらん。多生曠劫にしたしみし妻子には、心とはなれしか。仏道のためにはなれしか、いつも同じわかれなるべし。我法華経の信心をやぶらずして、霊山にまいりて返ってみちびけかし。
(中略)
日蓮が流罪は今生の小苦なれば、なげかしからず。後生には大楽をうくべければ大いに悦ばし。
0 件のコメント:
コメントを投稿