「班長さん、ありがとうございます。」
妙深寺 役中テキスト 令和2年5月号
ありがとうございます。
四月七日、政府は緊急事態宣言を発表し、緊急事態措置を実施すべき区域の一つに神奈川県を指定しました。これを執筆中、その措置を一ヶ月程度延長させるという報道がなされています。
五輪による特需への期待は幻のように消えてしまいました。外国人観光客で溢れているはずのホテルの客室はウイルスに罹患した(軽症者の)方々のために使われています。あらゆる業種のあらゆる方々が想像を絶する経済的な大打撃を受けると考えられます。心の底から緊張します。
今回のウイルスの特徴から、妙深寺ではいち早く対策指針を決めさせていただき、四月はこれに則ってご奉公を進めさせていただきました。感染せず、感染させず、離れているからこそ心がつながるように、ご信心が深まり、異体同心が強まるように、様々なご奉公を進めて参りました。
一人暮らしの方への声かけ助行、御法門CDの配布、朝夕夜のインターネット参詣、御法門配信、インターネット御講の奉修、オンライン寺務所の開設。
しかし、足りているとは思っていません。インターネットで参詣できる方は限られていますし、多くはお年を召した方々です。まだまだ妙深寺としての緊急事態措置を実施してゆきたいと考えています。
すべての所属信徒がお寺とつながれるように、今まで以上に丁寧にご説明します。分からないことがあれば、すべて御講師にお聞きください。不要不急の外出を控えているとはいえ、らくらくフォンやシンプルスマホへの機種変更、お得なプラン変更、いろいろなことが考えられます。ご家族へもインターネットでお参りできることを伝え、サポートをお願いしてみてください。よろしくお願いいたします。
妙深寺も存亡の危機ですが、このような時こそ緊急支出をして、インターネットでお参りできるように、スマホやタブレット、無線通信機器の配布をすべきではないかと検討をしております。どうか、全教講を守り、使命を果たすためにも、前向きに、ご信心を深め、異体同心を強めていただきたい。よもや、真っ向逆の、他を批判する、ねたむ、対立する、攻撃する、バラバラになることのないようにしてください。
御教歌
「油断すな 客は掃除の善知識 コレラは不信のすきをうかゞふ」
油断をしてはいけません。油断の怖さは新型コロナウイルスの対策で学びました。開導聖人時代、経口感染症「コレラ菌」によるパンデミックが発生し、「コロリ」と呼ばれるほど致死率の高い病でした。明治十二年と十九年は国内で年間十万人以上の方々が亡くなったと記録されています。
この恐ろしい伝染病を迎え撃つ心得が「油断をすな」という御教歌です。「客は掃除の善知識」とは「客を迎えるからこそ家を掃除しようと思うように、来客を嫌うのではなく善知識=善き友人としなさい」とお示しになっておられます。
お祖師さまは自分の命をつけ狙っていた東条景信を筆頭に多くの怨敵がいたからこそ法華経の行者になれたと悦ばれます。味方よりも「強敵が人をばよくなしけるなり」とまでお示しになられています。
この大難は信心改良の好機です。自宅で朝夕にお給仕、お看経する。家族全員でのお看経のチャンス。会えない中でのご奉公を考える時。ご奉公に工夫をこらす機会。本当の意味で「心をつくす」チャンスです。
御教歌
「そろそろと改良すとはおもふなよ 闇にともしび得たるごとせよ」
信心に隙をつくらず、精進してください。
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