2008年2月19日火曜日

信心は日々に新たに

 いま、フィレンツェのお寺から帰ってきた。夜の10時30分過ぎ。19時30分からの夕参詣だったので、お参詣者の方々と一緒に軽食を食べて帰ってきたらこの時間になっていた。眠い。
 でも、このまま寝てしまったら、またブログが滞る。スリランカのことですら半分も書けていないのに、イタリアのご奉公までため込んでしまったら大変。恐ろしいので、お助行の続きを書く。
 サンドラのお宅を出て、ミルトの車とアントニアの車の2台が連なって、プラトの街を目指す。そう、高速の途中にフィンランドの家具屋さん「IKEA」があったので写真をパチリ。この家具屋さんは世界的に安くて素敵な家具が揃っているので有名。最近は横浜にも出店した。日本への出店がない時に、LAでラリーに連れて行ってもらったなぁ。
 パトリシアの家はプラトにある。フィレンツェの近郊の街。パトリシアは、ご主人を亡くしていた。その亡くなり方に問題もあり、最近では息子のアンドレアも多感な時期を迎えて問題が多い。パトリシア自身の兄妹にも行き違いがあって、いつしかひどいうつ病を患うようになり、そうした家族の問題に対処する気力もなくなってしまったという。彼女はご信心をするようになり、何とか乗り越えようとしている。そうした状況の中で、ミルトとサンドラがお助行を続けてくれている。
 訪問してからキッチンでネコにご挨拶。イタリアのご信者さんはネコが好きだなぁ。ご挨拶が終わったら、やはりベッドルームにある御宝前へ。彼女が抱えている問題は事前に良誓師から説明を受けていた。そして、亡くなった前夫の名前と息子の名前も書いていただいたので、お看経の前に振り返って「これからご回向と御祈願をしますね」とパトリシアに伝え、一座30分のお助行をさせていただいた。
 お看経終了後、そのままお話をさせていただいた。良誓師が通訳してくれた。彼女が現在の状況から抜け出すための、ご信心の仕方、ポイントを伝えたいと考えた。内容は以下の通り。
 まず、御本尊は生きてまします、こちらがしっかりと心を使い、心を捧げることが出来ていれば、必ず応えてくださるのがHBSのご信心である。
 だからこそ、HBSのご信心では、毎日毎朝毎夕、リフレッシュすることが大切だと教えていただく。なぜなら、私たちが一番恐れるのは「慣れ」なのである。御題目口唱も、「ただ唱えれば良い」と思っていたらいけない。背中は丸まるし、目はつぶるし、声も出なくなる。
 パトリシア。あなたの抱えている問題はよく分かる。日本でも同じような方がたくさんいるし、私もそうした方へのご奉公をしている。生きる気力が湧いてこない、心の中に力がない、エンプティーになっていると思う。それは良く分かる。しかし、この御本尊の前に座っている時だけは、御本尊に心を向けなさい。姿勢を正しなさい。目を開きなさい。声をしっかりと出して、御題目をお唱えしなさい。これは、ガソリンを入れているのと同じです。このことが積み重ねられれば、心にエネルギーが溜まってきて、自分のカルマが転じてくる。カルマが転じて、ご利益を感じられるでしょう。
 あなたは悟り開いた直後の、ブッダの最初の御法門を知っていますか?「四諦」といって、4つの重要なセオリーを示したことで有名ですが、この教えのエッセンスを簡単に言うと「Give up」です。いや「Give up」というと誤解するかもしれないから言い換えると、「accept」。「受け入れること」です。つまり、今の自分の状況を受け入れる。それは誰のせいでもない、誰のせいにも出来ない。自分のカルマと受け入れる。アキラメル。しかし、そこで普通なら苦しくて、「自分を責めるだけになる」、あるいは誰かに「依存」したくなり、「失望」したりする。しかし、その前提の中で、私たちには、その「カルマ」を転じる方法がある。それが御題目口唱、私たちのご信心ではありませんか。
 ですから、御題目口唱は、他人任せではいけませんね。あなたは、幸いなことにミルトやサンドラという素晴らしい友人、いや家族以上の温かい人を持っている。彼らは、あなたの御題目口唱をサポートするために家に来てくれている。しかし、それはあくまでもあなたの御題目口唱のサポートなのです。ご利益は、勝手に、誰かが運んできてくれる、誰かがデリバリーしてくれるものではありません。誰かが与えてくれるものではないと心得ましょう。自分で、御本尊にいただきに行くのです。その姿勢が大事です。
 だから、HBSでは、古いメンバーというだけでは「何も偉くない」と言われてしまいます。古くても新鮮な信仰心を維持している人が尊敬されるのです。私などは得度してから20年以上も経ちますが、私は良誓師や新しいメンバーから新鮮な信仰心をインポートしています。古いだけではダメです。長くやっているだけではなく、日々にリフレッシュしてください。リフレッシュ、「日々に新たに清く」が大事です。私も、あなたのことを御祈願しますからね、日本から。
 このように話をしている間、パトリシアは泣き出し、泣きながら私の話を聞いてくれていた。ミルトも、アントニアも、聞いてくれていたHBSの「お助行」の本質を、よく分かってくれていたと思う。有難いことだ。
 そして、元気を取り直して、みんなで笑顔でキッチンへ。パトリシアはケーキ作りの名人で、いつもお寺にケーキを焼いてきてくれるということだった。早速、パトリシア手作りのケーキをいただいた。
 それにしても、トスカーナを縦横無尽に駆け抜けてお助行できるなんて有難い。良誓師、ミルト、アントニアが車に乗る前に写真を撮った。イタリアの菩薩たち。

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