御講のことはさておき、最初にお助行のことを書きたい。時間が無くて書けなかったが、一人一人のお宅に伺うことで、彼らのご信心が分かるし、彼らのご信心の在り方、考え方をお聞きすることもできる。ぜひ、ご紹介したい。
お助行初日、最初のお席はクラウディオさんという方のお宅。フィレンツェ市内で、お寺からも近いお宅だった。クラウディオ氏はアパレル関係のお仕事をしている。日本のエビス・ジーンズとも取引があるそうで、山根社長も知っておられるという。私も御縁があるので驚いた。不思議な御縁。仕事は非常に順調にいるとのこと。良誓師は「クラウディオ氏は、本当に志が篤くて、お寺へたくさんの御有志をしてくださるのです。そのくらい、ご信心の有難さを感じているのです」と言っておられた。
現在は一人で暮らしておられ、二人のお嬢さまが週に一回訪ねてこられるという。ご信心との出会いは今から2年ほど前。良誓師からの勧めで「御題目口唱」という「修行」を始められた。これも大切なことだと思うが、「宗教に入る」と身構えたものではなく、「ブッダの教えを実践する」という「修行」=「口唱」を一番前にするのが末法相応であると思う。もちろん、彼は実践してみて、多くのことを感じた。だから、今は献身的なご信者になっている。HBSの信仰一筋という方だ。
時間の都合で20分ほどお看経。その後、少しだけインタビューさせてもらった。
クラウディオ氏曰く
「仏教は人生の哲学であると共に、それは遠くにあるものではなく実践的な教えだということを知った。自分にとってブッダの教えは人生の視界を広げてくれるものだったし、自然な自分を発見し、それを維持する術である。特に、御題目口唱は、心の中に本当の安らぎを与えてくれる。イタリアに宗教は、すぐそこにあると思っているかもしれないが、人々にとっては遠くにある。その宗教は、人生からかけ離れたものになっていて、説教の中だけ、テレビの中だけ、セレモニーとしての宗教なのだ。しかし、御題目のご信心は違った。ライフスタイルに密着している。ライフスタイルに密着させるからこそ有難いのだ。HBS WAYは本当にライフスタイルに密着したものだ」
こういうコメントを心に刻んでおく必要がある。日本の葬式仏教などは論外。しかし、本門佛立宗のご信心は、彼の言葉の通り、活きたものでなければならず、ライフスタイルに密着したものでなければならない。もし、開導聖人の開かれた本門佛立宗が、単に儀礼的・セレモニー化したものになったり、ライフスタイルとかけ離れたものになっていたとしたら恥ずかしい。いや、「佛立信仰」というものは本来ライフスタイルに密着した活きた仏教なのである。間違った「イメージ」を持って勘違いをしていてはいけない。クラウディオ氏の言うとおりだ。
私は、「特別に、御祈願などを持っていますか」と尋ねた。クラウディオ氏は、
「私に特別な御祈願はありません。御題目をお唱えする、という『修行』を、ただただ丸呑みにして、朝夕に実践している。それで、十分にご利益があるんです。ご利益を感じているんです。自分と人生がナチュラルなものになる」
続いて、私から「お教化はどうなんでしょうか。あなたはご信心を他の人に勧めたことがありますか?」と「こう言っておられても、お教化はしてないんじゃないかなぁ」とイジワルな質問をしてみると、クラウディオ氏と良誓師が喜び勇んで、
「えぇ、もちろん。既に、フィレンツェにあるHBSのお寺のこと、ご信心のことを伝えて、彼は友人を連れてきました。そして、その友人もご信心をするようになり、今でもきちんとお参詣するようになってます」
と答えてくれた。
と答えてくれた。
参った。すごい。木で作った素敵な箱をプレゼントしてくれた。ありがたい。
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