2008年2月18日月曜日

イタリアの御戒壇 サンドラ宅にて

 アントニアさんがクラウディオさんの家の近くまで車で迎えに来てくれていた。今日は彼女の運転でお助行に廻ることになった。今回のイタリアご奉公で痛切に感じたのだが、今や彼女がHBSイタリアのムードメーカーになっているようだ。明るくて、元気で、良誓師のご奉公を支えておられる。
 もともと、彼女のご主人であるレンツォ氏が良誓師から勧められてご信心するようになった。その時、彼女はご信心について何の関心も払わなかった。しかし、この1~2年の間に本当に彼女がご信心を掴み、御題目口唱、お参詣、ご奉公に励むようになった。彼女たちには他の日蓮系仏教などの先入観がないので実に素直で率直だし、純粋培養のHBS信徒というわけである。こういうメンバーが、特にこの1~2年で増えている。クラウディオ氏もレンツォ氏も、アントニアもそうだ。
 そんな彼女だが、ご信心をされるずっと以前から、ある病気を抱えておられたという。何と15年間もの永きにわたって治療をしてきたという。その年に一度の検査結果が「2月16日、明日出るんです」と言う。よりによって明日とは。その検査結果の前日に、一日中、運転のご奉公。その功徳で御利益がいただけますように、と。お助行のお席毎にアントニアの御祈願をさせていただいた。
 次に訪問したのは、SESTO FIORENTINOにあるサンドラのお宅。彼女はHBSイタリアのセクレタリー(秘書)としてご奉公してくれているという。毎週日曜日、一般の方がお参詣する1時間前にお寺にお参詣して、お掃除をしたり、コーヒーを入れたり、準備ご奉公をしてくれているようだ。電話連絡やスケジュール管理も彼女のご奉公だという。今回は少しだけ風邪で熱があると言っていた。私は彼女に会うのは4度目だと思うが、こうしてゆっくりとお話をするのははじめてだった。
 サンドラの家にはミルトが来ることになっていて、彼が来るまでお茶をご馳走になりながらお話を聞いた。彼女の願いは「良い旦那さんを見つけること」だそうだ。「ただの旦那さまではなく、『良い』旦那さまね(笑)」と。良誓師と「よし、御祈願しよう!(笑)」と話していた。現在はルームメイトと一緒に住んでいるとのこと。落ち着いたお宅だった。
 ベッドサイドに御奉安された御本尊。その御宝前は、何とも温かく、柔らかく、素敵だった。イタリアの御戒壇の在り方は実に多様だ。なぜ、こうしたオリジナルの御戒壇がイタリアのHBSでは多いかというと、急速に進展するのスリランカのご弘通と同様に日本の形式の御戒壇が追いつかない。彼らは、初期の佛立講がそうであったように、古い日本式の仏壇を改造したり、イメージしながら「御本尊」の御奉安を精一杯されている。そして、特に開導聖人が「三方開き」で目指されたように、日本独特の奥まった仏壇ではなく、御本尊が誰からも見えるように「三方」に「開かれた」ような作りを目指す。
 他の日蓮系仏教諸宗などでは、「ブツダン」について「これでなければダメだ」と言うらしい。非常に強制的だ。彼らは、ブツダンに水を上げても、そのまま捨てろと教えるし、野菜やフルーツをブツダンに上げることを禁じている。ずいぶん、HBSと違うものだ。
 そうした宗派から転入する人は、いち早くそういう「ブツダン」を取り払う。そして、彼らはHBSの教えである「御本尊を誰もが拝見できるような形で御安置する」ということを守りながら、一生懸命に工夫しながら「御戒壇」を作り、御本尊を拝受いただくのだった。もちろん、日本などで「何でも良いですよ」という訳ではない。スリランカでもリーダーの指示でされているし、ブラジルでも豪華なキャビネットのような御戒壇や手作りの御戒壇など、多様な形式の御戒壇を拝見したが、全て御導師のご許可の下で行われている。イタリアでも、福岡御導師や良誓師の指導もあってされている。それは、住宅様式の変わった日本にも逆輸入したいくらい(事実、いま新しい御戒壇をひろし君用に開発中である。内緒)。
 ミルトが到着して、全員でお看経。何より、みんなの御題目口唱の声が綺麗だ。スリランカでもそうだが、日本人よりも御題目の発音もはっきりしていると感じてしまうことがある。彼らは、言語の違いがありながら、丁寧に「ナムミョウホウレンゲキョウ」と口にしていることが分かる、伝わってくる。ありがたい。
 また、お看経の後で、最近の彼らの菩薩行、ご奉公を聞いた。ミルトとサンドラは交代で次に訪問するパトリシアの家にお助行に通っているという。1週間に2~3回通って、彼女がご利益をいただけるようにご奉公しているという。パトリシアの抱えている問題については次に書きたいが、こうしたご奉公ができていることが嬉しい。

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