今日から、野崎清翔師がブラジルへ旅立ちました。これから3ヶ月、ブラジルで修行させます。きっと、世界を見て、大きく成長するでしょう。
覚悟して送り出しました。期待しています。頑張ってきて欲しいです。
今年の夏、本門佛立宗の青少年国際交流事業に申し込み、履歴書と論文を提出しました。10月初旬、委員会から合格の連絡をいただき、日本の教務としては初の海外留学生になりました。しかし、あくまでも海外の寺院で修行させていただくということで、往復の渡航費も自分で支払わなければなりません。もちろん、本人ではなく妙深寺で負担しますが、一番安いチケットを購入しました。大韓航空で仁川とロスを経由し、ブラジルまで28時間もかかります(汗)。
しかし、本人は果報者です。ブラジルのコレイア教区長も、吉川淳省師も、本当に優しく手配してくださいました。国際色豊かなブラジル教務会にもんでいただいて、修行できるのです。真夏のお正月の体験できますし、到着直後には「佛立祭」があり、すぐに噂に聞く教務忘年会もある。全ブラジルのお寺を廻るプログラムも作ってくださっており、本当に果報を通り越しそうです。教務になったら、なかなか外に出れません。こうして長期間、海外で修行できるなんて、本当に、幸せ者。普通は出来ません。
ただ、この3ヶ月、妙深寺を離れて海外で修行させたら、きっと、きっと、大きく成長して帰ってきてくれるだろうと期待しているのです。それだけです。薬が強すぎて、身体を壊すことがあるように、海外での修行がプラスに働くかどうかは分かりません。でも、彼は、これまで外に出てこなかったし、性格上、もっと世界を見て、人の中に交じって、生きることが必要だと判断し、決断しました。きっと、ご信心を深め、人と人の機微に気づくようになり、人間としても、教務としても、成長してくれるでしょう。そう信じています。
先ほどの搭乗前の電話で、「世界を見てこい、清翔!」と言って送り出しました。涙が出そうでした。本当に、成長してきて欲しい。いい負を取れば、次はプラス。心配で、さみしいし、妙深寺の手も足りないが、帰ってきたら倍のご奉公ができるようになっているはずです。耐えなければ、春は来ません。
清翔は今春大学を卒業して、横浜で修行をスタートしました。本当に、真面目で、真っ直ぐで、素直です。素質十分、いい教務になる。ブラジルとのご縁も深い。何と言っても日博上人の孫です。覚悟のある教務になると思います。清翔を認めるのは、真面目さと同時にその根性です。絶対に、朝のお給仕に寝坊することはありません。本当に、根性はあります。だから、信じたい。
ただ、彼なりに頑張っていますが、現代っ子です。他人の中に交じるよりも、パソコンの前にいる魅力に負けていた学生時代。その代償は、人間関係の中で、決定的に表れてしまうことがあります。
笑いながら話をしていますが、インターネットの世界に「ニートカルタ」というものがあるのを教えてくれました。それは、パソコン世代の現代っ子が自虐的に自分たち世代を歌ったものだと思いますが、それが彼らの世界の言葉だけに不思議と説得力があるのです。
「挨拶を するだけなのに どもり出し」
「エロサイト 巡回だけで もう朝だ」
「母さんを どなる時だけ 一人前」
「政治ネタ 熱く語るよ でもニート」
「食べ過ぎて もちろん腹は 三段だ」
「父親は 七十歳でも 働きに」
「何もかも 先送りのまま 三十歳」
「屁理屈は ネットで覚え 死角無し」
「無職でも ネトゲ界では 師匠格」
「面倒な 事からすぐに 逃げ続け」
「モゴモゴと 何言ってるか わかんない」
「幼少期 神童の頃に 帰りたい」
「冷淡な 態度を取られ 逆恨み」
清翔とは、こうしたカルタの一首一首を詠んで、「これは自分に近いなぁ」「こういう面もあるなぁ」と、やはり、こうしたものも真っ正面から受け止めて、「人間的に成長しようじゃないか」「殻を破ろうじゃないか」「卒業しようじゃないか」「改良しようじゃないか」とやってきました。
現代人を蝕んでいるのは、慢心です。画面の前で偉くなったつもりでも、現実、人を前にすれば違う。耐えきれないほどパソコンの前と、現実世界の間にはギャップあり、それが広がってしまうから孤立してしまう。
とにかく、清翔は今日、海外に旅立った。
きっと、彼は成長して帰ってきます。未知の世界、しかし自分の中にあるDNAに刻まれたブラジル、そこで確実に何かに気づき、身につけてくるでしょう。それが、御法さまにとって、ご信者の皆さまにとって、プラスであると信じています。
無事安全の帰国とご奉公成就を願って、清翔と清朋のご祈願にも力が入ります。よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
2010年11月10日水曜日
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