2021年8月2日月曜日

最愛の人を


最愛の人を唐突に失う。これ以上の悲しみ、苦しみはありません。


小泉正太社長から連絡をいただき、愕然としました。


この一週間、ご家族とやりとりをさせていただきながら、とにかく私たちに出来ることを精一杯させていただくしかないと覚悟し、それぞれのお気持ちに寄り添い、ご奉公させていただきました。


一昨日のお通夜、昨日の告別式。これほど素晴らしいご家族はいないと、今日の朝礼でも語り合いました。


子ども達にとって世界一の母であり、ご主人にとっては世界一の女性と。


癒えるはずもない深い哀しみを、しっかりとお見送りしてあげたいという巨きな力に変えて、本当に見事にお見送りなさいました。


本当に、世界一のご家族です。これほど真心のこもった葬儀は経験したことがないと、清康師も清信師も口を揃えていました。


妻を想う気持ち。恋慕う心。母を想う気持ち。恋慕渇仰。


いろいろな家族の形、夫婦の関係があると思いますが、外で食べるどんな料理よりも奥さまが作った手料理が美味しいと断言されておられるご主人と、今の僕たちがあるのはお母さんのおかげと断言する3人の息子さん(涙)。


日蓮聖人は「千日尼御前御返事」に「悲母の大恩ことにほう(報)じがたし。」とお認めになられています。


その大きな恩に報いることは難しい。それほど大きな、計り知れない御恩があるのです、と。


私たちがお見送りさせていただくこととなり、本当に精一杯、心の奥底から御題目をお唱えし、ご回向させていただきました。


清康師も清信師も、奉修している導師が、一緒に泣いてしまって御題目がお唱えできなくなるほどだったと聞きました。


「法華経の一字は大地の如し、万物を出生す。一字は大海の如し、衆流を納む。一字は日月の如し、四天下を照す。此一字変じて佛となる。稲変じて苗となる、苗変じて草となる、草変じて米となる、米変じて人となる。人変じて佛となる、女人変じて妙の一字となる。妙の一字変じて台上の釈迦佛となるべし。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。恐恐謹言。」王日殿御返事


ご夫婦の深い愛情に触れ、今生人界の出会いから、生まれ変わり、死に代わりする永遠の深い絆を感得させていただきました。この深い悲しみから、ご回向をさせていただくようになり、さらに永遠の絆となることを確信いたしました。


「生生世世の間ちぎり(契)し夫は大海のいさご(沙)のかずよりもをゝくこそをはしまし候けん。今度のちぎりこそまことのちぎりのをとこ(夫)よ。そのゆへはをとこのすゝめ(勧)によりて、法華経の行者とならせ給へば佛とをがませ(拝)給べし。」上野殿後家尼御前御返事


いま、ここに、生きていること。当たり前のことなんて何一つありません。


なんとなく過ごしてしまうこともあるけれど、それも特別で、それも最幸なこと。そういうことに気づかせいただきながら人生を積み重なてゆく。


毎日が特別で、毎日が最初で、毎日が最後のような、大切な日。


生きている間、命の最大化、その存在の最大化をすることが、恩に報いる生き方なのだと思います。


また会える。そう教えていただいていることを、信じます。


そのために、よりよく生きたい。


南無妙法蓮華経ー。


ありがとうございます。

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