「八月は六日九日十五日」
永六輔さんがラジオで紹介した詠み人知らず、いや実は詠み人多数だったという歌。多くの日本人にとって、八月は広島に原爆が落とされた6日、そして長崎の9日、終戦記念日の15日だという想いを詠んだ歌。
京都佛立ミュージアムでは開館以来、反核と戦争の愚かさを訴え、戦争を巻き起こす人間の性と業を見つめ、多くの「戦争と平和」に関する展示を行なってきました。
その中の一つに「ヒロシマ・アピールズ・ポスター展」があります。以来、約10年間、京都佛立ミュージアムへ今年の「ヒロシマ・アピールズ・ポスター」を寄贈いただいています。
今年も、京都佛立ミュージアムではエントランス右側に展示をさせていただきます。危機の時代にある私たち、是非ともご来館の上、このポスターをご覧ください。
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公益社団法人日本グラフィックデザイン協会/JAGDA(会長:佐藤卓)は、1983年より毎年、広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金とともに、言葉を超えて“ヒロシマの心”を訴えるポスターを制作し、国内外に向けて平和を呼びかけるキャンペーン「ヒロシマ・アピールズ」を実施しています。JAGDAを代表するデザイナー1名がボランティアで制作しています。
この度、 JAGDA東京会員・中村至男(なかむら・のりお)氏による2023年版のポスターが完成し、本日7月11日、広島市役所にて中村氏より松井一實広島市長へ贈呈され、販売・展示をスタートしましたので、ご案内いたします。
「ヒロシマ・アピールズ」ポスターとは
「ヒロシマ・アピールズ」ポスターは、「ヒロシマの心」を、言葉を超えて広く内外に訴える事業として、1983年にスタートしました。現在は、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会〈JAGDA〉(佐藤卓会長)広島地区、一般財団法人広島国際文化財団(山本慶一朗理事長)、公益財団法人ヒロシマ平和創造基金(岡畠鉄也理事長)の主催により、JAGDAを代表するデザイナーが毎年1枚、ボランティアでポスターを制作しています。
第1回作品の「燃え落ちる蝶」は1983年、当時JAGDA会長だった故・亀倉雄策氏が制作し、後に「第6回ラハティ国際ポスタービエンナーレ展」で最高賞を受賞するなど、大きな反響を呼びました。
今年の作品は中村至男先生のデザインによる「人差し指」。
制作コメント:
先の戦争は、物心がついた時にはもう教科書の中の昔の出来事だった。ながく平和だと思いこみ育ってしまったが、歳を重ねるほど、この世界の危うさに自分の甘さを思い知る。震災、原発事故、疫病や戦争……想像を超えることが次々と起きる時代を生き、わかったつもりで世界を憂いても、核兵器使用?まさか、と心の底に一粒の傍観が残る自分に今一度問いたい。
このポスターを制作しながら、手元のスマホに目をやると、まさに広島からG7サミットが生中継され、各国首脳陣が原爆資料館を出て記念碑へと向かっている。核兵器は人間の所業に他ならない。人が起こすことは人が止められるのだ。
そんなことを想いながら1945年と地続きの”今”を表現した。この指は人間の弱さの象徴である。「人差し指」と名づけたこの一枚。2023年、広島からの訴えをつなぐ鎖のひとつになれたらと願っている。
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