福島第一原発3号機。数時間で死亡するほど高い線量の湯気。
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「東京電力は二十三日、福島第一原発3号機の原子炉建屋五階で湯気が発生した場所の周辺で、最大毎時二一七〇ミリシーベルトを計測したと発表した。人が数時間もいれば確実に死亡する高い線量。3号機はこれまでも放射線量が高く、事故収束作業の足を引っ張ってきたが、あらためて汚染度のひどさが明らかになった。
3号機原子炉建屋五階では十八と二十三の両日、格納容器の上部と機器貯蔵プール境目付近で、湯気の発生が確認された。
東電は、クレーンで建屋上部から線量計をつるし、湯気の発生場所近くの二十五カ所で放射線量を計測。毎時一三七〜二一七〇ミリシーベルトを計測した。湯気が出た直近の場所では五六二ミリシーベルトだった。
東電は、湯気の原因を、雨水が熱を持った格納容器のふたに触れて蒸発したとみているが、原子力規制委員会が詳細な調査を指示していた。
3号機ではこれまで、格納容器近くの床で毎時四七八〇ミリシーベルトを計測するなど現場の高線量が作業の障壁となっている。
水素爆発による建屋上部のがれきはほぼ片付けられたが、最上階の五階に近づくほど線量が高い状態。作業員は放射線を遮る重いタングステン板入りのベストを装備して作業に当たる。それでも一人が現場で作業できる時間はわずかしかない。」(東京新聞)
ミックス定食の参議院選挙が終わった。人間の欲、未来より今、他人より自分、イビツなプライド、正常性バイアス、そんなものが入り交じって、原発の再稼働と輸出を進める自民党が圧勝した。民主党の罪の大きさを、深く、強く、感じた参院選だった。乱立し、バラバラなままの野党を尻目に、自民党と公明党が大勝したこと。何とも言えない。みんな、本当のところ、どう思っているのだろう。
総論賛成、各論反対の参議院選挙。上手にそういうミックス定食を参議院選挙。
The plan is agreed in general, but its details are yet to be agreed.
どこを各論として、どこを総論としたか。原発は、ディテイルか。
この国に住みたくない。この国に住ませたくない。あと8年したら、みんな気づくことになる。
そんな言葉を聞く。本当に、悲しい。
吉田所長は、本当に死んでしまった。誰よりも早く。間違いなく、日本の、みんなの危機を救った英雄のはずなのに。事故当事者、数多い責任者の一人として、誰よりも早い死。
2011年11月に入院、12年7月には脳出血、そして食道がんで亡くなった。本当に、そうなのか疑いたくなる。吉田所長の原発事故後の被曝線量は公表されている数値で約70ミリシーベルト。被爆限度(5年間)の範囲内とのこと。「食道がんは発症まで5年以上かかるとされ、病気との関係はない。」との発表だけど、にわかに信じがたい。
「水素爆発では現場にいた全員が死んでもおかしくない状態だった、地獄みたいな状態だった」
「危険を顧みずに何度も現場に向かう部下の姿は、地面から菩薩が湧いてくるイメージだった」
吉田所長の「地面から菩薩が湧いてくる」って、地涌の菩薩のイメージではないのかな。本当に、悲しい。
福島第一原発の3号機はプルサーマル、つまりプルトニウムの含まれたMOX燃料を使っている。その格納容器の上部から出ている湯気。
参院選中は雨水が熱せられて蒸発しただけと説明していた。今日、ほんの数時間で人間が死亡する最大2170ミリシーベルトの線量が出ているとの発表。
愚かな話ではないのだろうか。怖い話ではないだろうか。
ミックス定食の中に入っていた「原発再稼働を進め、原発を止めない」という「現実的な選択」をした人たちは、こうしたニュースをどう見ているのだろう。
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2013年7月24日水曜日
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