1月4日18時から、京都麩屋町の長松寺で、平成20年最初の役一総講が奉修された。今年の初総講は大変多くのお参詣をいただいた。有難かった。
本山宥清寺のお参詣が100名を越え、他寺院のお参詣者が40名を越えていた。ちょっとした御会式のお参詣数で、お正月気分も吹き飛ぶ気持ちがした。ありがたい、みなさんの思いが。
そして、本泉寺の園美さんの掲示板を見ていただくと分かるのだが、寺尾くんという青年が御礼のお参詣に来てくださった。寺尾くんとお会いしたのは12月16日の長松寺。暗く沈んだ顔をしていた。御総講終了後の懇談の時間、話題を振っても上手に笑えない、不思議な青年だった。
園美さんからご紹介を受け、話を聞くために長松寺の二階にある部屋にご案内した。20代の青年だが、ご信心をしているわけではない。光薫寺出身のご信者さんの友人で、その方にお寺参詣を勧めていただいたりしてきた。しかし、ご信心はできなかった。
今年の秋、信じられないような不幸な出来事が彼を襲い、彼は生きる希望を失ったという。私が聞いていても、大変な状況であり、彼が生きる気力を失ってしまったのも理解できるほどだった。しかし、彼の口からそうしたお話を聞いて、結局は死ぬことによる解決など無いことを伝え、この悪い流れを変えることをしなければ自ら命を絶ったとしても問題を先送りにするだけだということを伝えた。
で、どうする?いや、理屈っぽいんです、信心って言っても、、、、、、。いや、信じられないかもしれないんですよね、という。私は即座に「信じなくても良い」と答えた。こんな状況で、理屈屋で、長々と話をしても結局君は信じられないよ。「はい、全て分かりました。信じられます。信じます」ってなってから、何かが変わると思うか?変わらないし、そんな人いない。もういい、信じなくて良い。
ただ、君が今、どうしようもない状況だということは分かった。それを何とかしなきゃいけない。だったら、信じなくても良いから、「御題目」をお唱えしてみろ。それは、君自身の心の薬、悪い流れを変える決定的な「動き」、唱え重ねて、唱え重ねてしてみたらいい。大丈夫、絶対に自分で感じられる、その効果、力を。まず、やらなきゃ始まらない、とお話ししたのだ。
本泉寺というお寺は素晴らしいお寺で、ご住職は即座にご信者でない彼を預かり、奥さまの園美さんがお世話をしながら百本祈願を開始。逐一、状況が掲示板に乗っているが、12月30日に寺尾君は百本祈願を終了。満面の笑顔で1月4日の初総講に長松寺までお参詣してくださった。なんということだろう。本当に蘇っている。「もう大丈夫です」と。私は「よかった。本当によかった。御題目の御力だなぁ。いや、油断するなよ」と言い、心から喜んだ。本泉寺のご奉公は、本当にすごいなぁ。
しかし、一方でこの長松寺でもご披露したが、増永一志(ひとし)君という18才の青年に肝臓癌の疑いがあるとのこと。非常に御縁の深い方で、本山の青年会の方々がお助行に動き出していると聞いた。私たちもお助行させていただこうということで、長松寺で初総講終了後にお助行をさせていただいた。
最初は青年会の方々だけということだった。そのままお助行をさせていただいて、振り返るとほとんどのお参詣者がそのまま残ってくださっており、100名を越えるお助行になった。大きな声の祈り、御題目が背中を押してくれていたが、これほど多くの方がお助行くださるとは。
お助行終了後、お母さんから泣きながら病状の説明とお助行の説明があった。ご披露を聞きながら、みんなが自分のことのように感じて、お助行を続けると言ってくださった。実は、今日1月10日、13時から手術が行われる。何としても、手術の成功と検査結果が良好であっていただきたい。お願いします。
2008年1月10日木曜日
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