スリランカに行って、最初に驚いたのはキリストの教会の多さだった。空港からコロンボ市内に移動する際、飛行機の到着が夜中だったので深夜にワゴンで移動していたのだが、道路の両脇にキリスト教の教会が点在しており、ネオンに照らされた十字架がボヤッと輝いているのである。
「なるほど、仏教国と聞いていたけれど、キリスト教がこんなに信じられているんだぁ」と、はじめてスリランカを訪れる人であれば思ってしまいそうだ。ところが、そうではない。
最近、スリランカの仏教団体が福岡御導師を表彰した。御導師曰く「頼んでもへんのに、もらってもーた」であるが、これは「近年最も仏教に貢献した僧侶」としての栄誉ある賞。その受賞理由は3つある。
第1に、内戦があり危険な地域であったにもかかわらず、平和な国・日本からわざわざスリランカを訪れたこと。
第2に、しかも、貧しい地域にまで赴いて、ひたむきにブッダの教えを広めようとしていること。
第3に、津波被害の後は特にそうだが、貧しいスリランカは資本家を通じてキリスト教の教えの神道を許してきてしまい、スリランカの多くの僧侶はそれを食い止めることが出来ずにいたが、何と福岡師はキリスト教カトリックの本家であるイタリアで仏教の布教をしている事実。
福岡御導師がスリランカの僧侶や団体からこのような称賛を得たことは大変に喜ばしいことであり、御導師のみならず本門佛立宗にとっても大変に意義のあることだ。本当に誇らしいし、名誉なことであると思う。特に、キリスト教に圧されてきたと感じていたスリランカ仏教界が、そこに挑み、そこで活躍する福岡御導師の功績を認め、そこから学ぼうとしていることがすごい。ありがたい。
スリランカの情勢は、まだまだ不安定。昨年2月、スリランカ大統領との接見が実現したが、同時期にあった独立記念日は大変な警備だった。
キリスト教の教会と同じくらいスリランカに行って目に付くのは、バリケードと兵士の数である。テロのある国家という不名誉なレッテルを象徴している。しかし、私は明日からスリランカに行くのだが、実際にはそれほどの不安はない。10月、団参の計画をしているので、参加者には不安を抱いてもらいたくない。本当にスリランカは素晴らしい国、光輝く国なのだ。必ずお連れしたいほど、本当に素晴らしい国である。
明日から、福岡御導師の代行としてご奉公させていただく。御導師がいないのは不安。スリランカも、イタリアも、御導師と別行動の、一人でのご奉公を何度かさせていただいているが、いつも不安だ。修行だと思っているし、何より、御導師と現地のクッションが必要だと感じているし、何とかその役割を果たしたいと思う。
とにかく、自分の出来ることを精一杯するのみ。命を燃やすこと。私のような者に出来ることは限られているが、精一杯、ただ一隅を照らせればいい。福岡御導師はいつも「失敗を恐れるな。イチローでも3割や!つまり7割は失敗や。ワシは失敗だらけや!」と励ましてくださる。精一杯、頑張ろう。生きて帰ってこよう。
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