2008年1月31日木曜日

自爆テロの黒煙

 私たちが到着したのは25日の朝。空港までシャンタさんが迎えに出てくれていた。
 朝のコロンボ空港は、夜到着するよりも雰囲気が良い。最初にスリランカを訪れた時は0時を回っていて、ちょっと怖かった。薄暗い中を歩いて、デコボコの広場に停まっているバスまで荷物を持って歩いたのを覚えている。ちょっと怖かった。
 今では、そういう意味での「怖さ」はない。しかし、現実に、内戦が激化しており、政府軍はLTTEの拠点へ空爆や侵攻を続けており、LTTE側も不定期にテロ攻撃を繰り返している。
 シャンタさんの車に乗ってコロンボ市内に向かう。出発前に聞いたニュース、16日に起きた自爆テロで26名の方が亡くなったことなどをシャンタさんに聞いた。すると、すぐに現在の情勢を細かく報告してくれていた。停戦監視団に対する不満、ノルウェーからの和平案を悪用するLTTEという多くのスリランカ人の感想を聞く。なるほど、そういう風に受け取っておられるのか。
 LTTEは、明らかに孤立し、もはや政治的集団とは言い難い。孤立しているにも関わらず、停戦期間を悪用して、さらに子どもや女性を洗脳教育し、テロ攻撃の道具としている、と。そうしたことに直面して、停戦合意は破棄された。現在のスリランカ政府は相当の覚悟をもって対処しているとのこと。ただし、テロ攻撃はコロンボ市内やスリランカ各地に飛び火している。
 何と、この到着した日、その車内で驚くべきことを耳にした。私たちが泊まるメイン・センターの、ほんの数百メートルの路上で爆弾テロがあり、17名の方が亡くなったというのである。シャンタさんは自動車を運転しており、爆発直後、黒煙があがるのも眼にしたという。話を聞きながらゾクッとした。
 ちょうどこの日はワーキング・デーで、市内は一日中渋滞していた。その際、私たちの車がバスと並ぶ。スリランカでの自爆テロは一般人が利用するバスを標的にすることが多い。清顕と、実際にテロが行われたらどう対処できるものだろう、と話し合った。冗談ではない。
 私たちの到着する前日、「天空の城・ラピュタ」という記事で紹介した「アヌラダープラ」でも同様のテロと思われる事件があったという。24日、一般市民17人が銃で撃たれ殺害されているのが見つかったという。警察当局は反政府武装組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)による犯行と見ている。現場付近では昨年12月にも、路線バスがLTTEによって爆破され農民ら少なくとも15人が死亡していた。
 しかし、今回のスリランカご奉公でもコロンボを中心に、南部のゴールから中北部のケーグルまで走り回ったが、振り返ってみるといつもと同じように安全そのものだったと思う。シャンタさんも、自爆テロを目の当たりにするという体験をしながら、「今年の4月までに、間違いなくスリランカは安全になります。10月のスリランカHBS10周年のご奉公までにはスリランカ全土が安全になるはずです」と仰った。私もそう思うし、そう御祈願している。
 私たちは10周年の記念法要に、日本からの団参を計画している。是非、多くの方がスリランカを訪れ、現地のご信者とふれあい、交流していただきたいと思っている。そして、スリランカ各地の自然の魅力、食事の美味しさにも触れてもらいたい。「コワイ」と思って躊躇してもらいたくないなぁ。きっと、10月までには安全になります。必ず。

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