2018年9月6日木曜日

災難対治抄










巨大台風の直撃で関西圏が被災し、今日未明には北海道で震度6強。


関西国際空港は脆弱さを露わにしました。災害対応もどこか役所的で悲しいです。


京都の二条城、お濠の木々も根元からなぎ倒されていました。


すごい被害(涙)。


長松寺も、庭の垣根が傾き、漆喰の壁の一部が剥落してしまいました。


本当に、広範囲で甚大な被害が出ています。


みんなが、少なからず被災しているということでしょうか。


そして、この直後、北海道で巨大地震、全道世帯停電とは、本当に大変なことです。


存じ上げている方々のご無事を聞き少しだけホッとしていますが、まだまだ油断できません。


とにかく皆さまのご無事を祈念しております。


日蓮聖人は『災難対治抄』と呼ぶ御書で次のように述べられています。


「国土に大地震、非時の大風、大飢饉、大疫病、大兵乱等の種種の災難の起る根源を知りて、対治を加ふ可き」日蓮聖人


いつも同じことを書いているようですが、三災七難が盛んに、立て続けに起こっている状況を、自分のこととして捉え、その根源を知って、対策を講じ、一人ひとりが改めてゆくしかありません。


調和を乱しているのは自分たちだと気づかなければ、季節は季節どおりに行われず、風も雨も雷も激しくなる一方で、災難が続きます。


大変怖いことですが、大風、干ばつ、飢饉、地震の後は、内乱(自界叛逆難)と戦争(他国侵逼難)と予言されています。


仏教ですから「予言」といっても大自然の道理、森羅万象の営み、因果を見れば分かるということ。


「池の水ぜんぶ抜く大作戦」という人気番組がありますが、どうしても直視できません。


池に潜む生き物を「外来種」「外来生物」だからと当然のように駆逐していく姿に背筋が寒くなるのです。


分かるのですが、分からない。


「生態系を脅かす、破壊している外来種を駆逐する」


これを別の角度から見てみると、私たち人間こそあらゆる生態系にとって外来種、外来生物のように見えてきます。


では、私たちは駆逐されて、取り除かれて、当然なのか。


そうはいきません。


次から次へと災害が起こる中で、人間を人間として、自然界との調和を取り戻す方向へ導く、今までとは違う価値観が必要です。


「失われし大地との絆を取り戻し」


まるで風の谷のナウシカみたいな。


今の経済界や経済システムとは両立しませんね。


しがらみのない本物の指導者の登場を願うばかりです。


日本はロビーが小さくて、影響力のある方々が環境保護で声を上げることも少ないみたいです。


東日本大震災以来、災害ビジネスは日本経済を支えているそうです。


「国民の生命と財産を守る」という軸が建前になってしまえば、内乱、戦争と続くのも容易に想像できます。


どうか、行方不明の方々の早期発見、救出が、いち早く進みますように。


インフラが順次復旧し、不自由な生活を余儀なくされている被災者の皆さまのご無事、生活の再建を、心から祈念しております。


南無妙法蓮華経-。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつもながらの、ググッと胸に迫る文章。同感です。
末法悪世、チャラチャラしている場合ではありません。
本当にボーっとしている世の中です。
(誰かさんに叱られます!、まったく。)

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