2008年9月13日土曜日

スリランカへの団参

 スリランカへの団参。来月の16日から出発して、開教10周年の大法要を営み、24日に帰国する。私は、先発のご奉公として、14日からご奉公に出発する予定だ。
 全国からの団参者は約80名を超えた。しかし、申し込みをいただいたのだが、今後渡航参詣を断念される方が増えるかも知れない。
 宗門としても旅行会社としても、現在未だテロが起きている国でもあり、外務省から「渡航の是非を検討してください」との渡航情報が出ていることから、再度一人一人に渡航するか否かの確認を取るための書類を送らせていただいた。書類だけを見ると、確かに怖くなってしまってお参詣を躊躇される方がおられるかもしれない。それは、一人一人の決断であり、考えていただければと思う。
 考えてみれば、10年前に福岡御導師が行かれた際は、テロが最も激しかった時であった。空港でもテロ騒ぎがあり、飛行機が途中で引き返すこともあったという。そこに、上行所伝の御題目が伝わり、ご信心をされる方々が増えてきた。あれから10年、教線は南部から中部、北部にまで広がり、自分の住む国で起きているテロという蛮行を目の当たりにしながら、国家の安穏と世界の平和を願ってご信心される人々が増えてきたのである。
 今年の4月末、青年会の会長であるディリーパくんにインタビューをした。青少年の一座でも放映したのだが、一部を編集した。彼は19歳で、スリランカでトップクラスの学校、ロイヤルカレッジのアドバンスクラスの学生であると共に、同時に日々ご弘通ご奉公に励んでいる。
 彼からもらった日本の青年たちへのメッセージがある。
「スリランカでは今、内戦状態が続いています。僕は今の世界にとって一番大事なことは『平和』だと思っています。私たちは御法さま、御題目を通じて、世界の平和を実現すべきだろうと思います。世界中に御題目を弘めることは僕たちの義務で、御題目が弘まることで僕たちも助かり、世界の平和を確立させるのだと思います。ありがとうございます」
 素晴らしい内容である。テロの頻発する国に、実際に住んでいる佛立信徒がいる。そして、同じ御題目をお唱えし、世界の平和を祈っている人々がいる。そこに、応援をする形で、私たち日本の佛立信徒が応援参詣をさせていただこうとしている。「渡航の是非」といわれれば、「行ってあげたい」「行ってあげるべきだ」という気持ちになる。「進退極まる」とは、こういうことをいうのかもしれないが、ここで得られるものははかりしれないと思う。
 こうしたことを書くことも憚れる。渡航の是非を検討するのは、あくまでも一人一人なのだから。ただ、当然ながら私は行かせていただくし、現地でも細心の安全をはかりながら私たちの到着を待っている人たちがいるのは事実である。美しい国である。その大自然は、野生の象が群れをなして暮らし、その美しさには目を見張る。本当に、テロが起こるのはごく稀で、人々は安全に、人なつっこく暮らしている。ご信者方一人一人がご選択いただくことは当然だが、妙深寺の教務はご奉公に行かせていただきたいと思っている。
 如説修行抄に「況滅度後の大難の三類甚しかるべしと。然るに我弟子等が中にも兼て聴聞せしかども、大小の難来る時は今始めて驚き、肝を消して信心を破りぬ」とまでいかないとしても、教務としてはここで「肝を消す」わけにもいかない。
 詳細に外務省の危険情報を調べてみると、地図上ではコロンボ市以外では、私たちが訪れる地域は「十分注意してください」という情報で、コロンボ市内に「渡航の是非を検討してください」とある。コロンボ市内では、主に民間のバスを狙ったものが多く、政府機関の建物などを狙ったテロもある。しかし、私たちは不特定多数の人々を乗せる民間のバスは利用しないし、政府機関の建物にも立ち寄る予定はない。法要の会場だがこの場所がテロに狙われる可能性は極めて小さい。
 しかし、私たちが考えを巡らせても、テロリストたちの行動を読むことはできない。確かに、危険な国であることは間違いない。団参者の安全を最大限確保し、その上でご奉公させていただく。事実、今朝連絡があり、この旅行者からの情報をいただいて、妙深寺のお年を召した方が今回の団参を断念された。そのご判断も妥当であるといえる。
 とにかく、一人一人の決断でいい。いま、最終の確認作業を進めている。また、このような状況だが、「我こそは」という方があれば、ぜひ参加いただきたいと個人的には思っているところだ。
 「スリランカ団参へのおさそい」という素晴らしい文章を先生のブログ「本門佛立宗ファンサイト」に載せてくださっているので、ぜひ読んでみていただきたいと思う。その他のページにも、とても示唆に富んだ文章が寄せられている。勉強になります。

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