2007年10月27日土曜日

長松寺 Cafe International

 既に韓国のご奉公となってしまった。
 朝5時30分過ぎに準備をしはじめて、5時45分には出発。羽田空港からソウルの金浦空港まで。日本は台風の影響で大雨だったが、韓国の空は鮮やかに晴れていた。その報告はまた今度。午後から新清寺で無事に高祖会を奉修させていただき、姜師の通訳によって御法門もさせていただいた。明日は鶴松寺での高祖会。ホテルを9時30分に出発して11時からの奉修となる。ありがたい。
 さて、立て続けの海外関連のご奉公の中で、先日来日本に来てくださっていた韓国の理事長ご夫妻が空港までお迎えにきてくださっていて、お互いに再会を喜んだ。よかった、10月のご奉公が結びつきを強くしてくださっていて。
 その地域代表者会議の締めくくりの記事を書かなければならないと思っている。義天寺を訪れた後、ホテルに一旦戻って、最終目的地である由緒寺院・長松寺へと向かった。長松寺とは、佛立開導・長松清風日扇聖人が晩年を過ごされた宥清寺・奥の院である。ほぼ開導聖人がお住まいになられたままの形で護持させていただいている。開導聖人の建立された佛立講最初のオリジナル・デザインの御戒壇、御宝前、開導聖人の愛された庭、それらが当時のまま護持されている。建物は江戸時代からのものである。
 その長松寺では、淳慧師や博子さん、松本現薫師が中心になって、「長松寺Cafe」という交流の機会を作ってくれている。すでに4日と16日の長松寺の御総講には関西近郊に住む交流のあるご信者方が自然にお参詣してくださっており、大変に有難いと思っている。その方々を中心に、さらにご信心をしていない方にまで広げて交流の機会を設けようというのが、この「Cafe」の主旨とのこと。
 これまでも、イタリアのダニエレ・良誓師やブラジルの斉藤御導師やコレイア御導師、スリランカのミランダ女史などがお参詣されると、鑒座に座っていただいて、自国の言語で導師役を勤めていただいたことがあった。こうした試みは、単純に「開導聖人がお喜びになるだろうなぁ」という思いからだった。開導聖人が安政4年に開始されたご弘通が、遠い国にまで広がり、こうして様々な言語に訳されてご信心されていること、特にそこには「菩薩」がおられること。そのことを、開導聖人護持の御宝前の前でご覧にいれたかった。
 今回の長松寺Cafeでも、企画を練ってくださって、まず最初に私が英語で言上し、続いて各国の代表者が自国の言語で言上を行い、最後に海外部長が日本語で言上してお看経に入らせていただいた。80名以上のお参詣があったのだが、本当に暖かいお看経、活き活きとしたエネルギーが音を立てているかのようなお看経になった。
 今回、なによりの大きなプレゼントは、何と吏絵ちゃんが参加してくれたことだった。吏絵ちゃんは、吏絵ちゃんの病気の御祈願をしてくれていたスリランカの方々が長松寺に来られると聞いた。横浜に来た次の長松寺御総講で、吏絵ちゃんは10月8日のCafeに参加する、とメールをくれた(吏絵ちゃんは僕の少ない携帯メールのお友だち)。
 そして、当日。体調を心配していたのだけれど、きちんと、元気にお参詣してくれていた。もう、アベイさんもガマゲさんも、飛ぶように喜んでくださっていた。こんなこと、こんなに嬉しいことがあるだろうか。
 ガマゲさんが吏絵ちゃんを抱きしめながら言った。
「吏絵ちゃん、私たちスリランカのメンバーは、あなたの名前を御宝前に掲げて、祈っていたのですよ(涙)」
 私はこんな素敵な瞬間に通訳で立ち会っていたのだが、本当に胸に思いが込み上げてきた。吏絵ちゃんも「本当に御祈願してくれていたなんて」と、彼らの口から直接聞いて、思えたに違いない。
 しかも、ガマゲさんは続けて吏絵ちゃんに尋ねた。
「吏絵ちゃんは、朝と夜にどのくらいお看経しているのかな?」
「え?」
と一瞬みんなが顔を見合わせたような気がした。吏絵ちゃんがお母さんの顔を見る。「ヘルプ~」という感じだった。お母さんもそれを察して、
「ね、吏絵ちゃんね、そう学校に行く前と帰ったときと、、、、ね?、、、、」
というような。は、は~。続けて、本当に底抜けに優しい笑顔でアベイさんが、
「いいかい、吏絵ちゃん。吏絵ちゃんは大変な病気だったよね。そう、出来る限り、一日朝夕最低でも20分間お看経されてもらいなさい。そうしたら必ずブッダが吏絵ちゃんを守ってくださるのだから」
とお話になった。とても感動した。本当に、真心のお折伏というか、本物のアドバイスだったと思う。そこまでお伝えできて、本当の「お助行」である。ありがたい。

 さらに有難いこと!HBSのネットでも紹介させていただいているが、2004年に由乃ちゃんが横浜にお参詣してくださった。彼女も幼い頃に白血病を患い、ご家族の献身的な看護とみんなのお助行をいただいて元気に過ごし、ご奉公してくださっている。詳細は「白血病からの回復」というページに記載されているから是非お読みいただきたい。
 その由乃ちゃんと吏絵ちゃんが、肩を組んで歌を歌ってくれていたぁ~。なんじゃー、この有難さは。なんていうタイミングか。こういう日が来るんだなぁ。
 佛立宗のご信心は、最大の不幸を最高の幸せにしてくれるのだと、何度も何度も教えていただくが、まさにそうだと思う。病も成仏の仲人に出来る、病を通じて学び、学ばせていただくことがあり、お助行している者も、お助行を受けている者も、共に御題目の御力を実感できる。本当に、「思いやり」「慈悲」が、こんな形になるということを証明してくれるのがご信心。その瞬間が、由乃ちゃんと吏絵ちゃんだったなぁ。
 長松寺Cafeでは、宥清寺の石井君たちがギターを持ってきてくれて、海外信徒の方々を前に80名の若者が大合唱するというクライマックスだった(誰が考えたの?すごい)。これには老いも若きも本当に音楽の魅力を感じて、喜んで肩を抱きながら歌っていたのだ。その時のショットが、由乃ちゃんと吏絵ちゃん。二人とも白血病を乗り越えて、御利益をいただいて、こうして元気になってくれた。ありがたい。

 また、このCafeには大阪・本泉寺の夕香菜ちゃんと加納姉妹が来てくれており、一生懸命にご奉公してくれていた。3人が持っているのは海外の方にお渡しする記念品。ここで撮った写真を、この写真入れにはめ込んで、「モノより想い出」とばかりにお渡ししようと考えた。みんなとの出会い、今夜のCafeを一生忘れないでねとばかりに、素敵な写真がはめこられていた。
 夕香菜も、今年のお正月に事故に遭い、顎を複雑骨折した。その時は誰もが慌てた。しかし、時が経つにつれて、なぜこうしたことが起きたのか、誰に何を教えようとして、何のために、なぜ、ということの一つ一つをみんなが気づき、知り、そして夕香菜と加納姉妹、尾池くんたちは、素晴らしい体験談、お助行から学んだこととして、青少年の一座にて発表してくれた。それは立派な発表だった。夕香菜もよくやってくれた。
 その夕香菜の笑顔。みんなの微笑み。ありがたい。これが良いなぁ。みんなが、壮絶なことを乗り越えて、こうして笑っている。ご信心していたら間違いない。ビクビクするな。逃げるな。いま辛くても、必ず乗り越えられる、最大の不幸も最高の幸せに変えるんだ、変えられるんだ、冬は必ず春となる、と思って御法さまにさらに近づくしかない。
 あっという間に時間が過ぎて、みんなで記念写真を撮った。もう、このまま増え続けたら長松寺の御宝前での記念写真は無理だな。底が抜ける。いや、もう既に入っていない人がたくさんいるもの。
 でも、本当に素敵な時間をありがとうございました。

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