2013年2月12日火曜日

N=Ns×fp×ne×fl×fi×fc×L/G

 原稿を書きながら国会の予算委員会を観ていた。

 石原慎太郎氏が、40年前の話としてスティーヴン・ホーキング博士が紹介した「ドレイクの法則」について触れた。驚いた。時々、この方はこういう話をする。

 大自然の中で突出した人類。自然界から資源を搾取することによって成立する文明社会。投資先を探してのたうち回る「たたり神」のような制御不能のマネー。降りられないゲームなのだ。経済偏重。国会事故調をも軽くあしらえる東電と巨大複合商品である「原発」。核拡散と核実験。中国の大気汚染。それに怯える周辺国。

 子どもたち。放射能汚染に引き続き、この大気汚染。その規模や地球の状況からして、日本の高度経済成長期のそれとは大きく異なるはず。

 これだけ考えても、すでに人類の自滅は明らかになりつつあるように思える。蛇が、自分の尾を食べているようなもの。人類にとって、少なくとも日本人にとって、東日本大震災を大きなターニングポイントにすべきだと思っていたし、そうしなければならないと思っていたが、本当に、それは夢に終わりそうだ。

 何も変わらない。

 気づくと、自分も、流されてしまう。

 いったい、何が言いたかったのか、何がしたかったのか、分からなくなり、身体が動かなくなる。萎えてしまう。あきらめてしまう。

 これではいけないのだ。そう思い返しても、問題が散漫になるように仕組まれているのか、あるいは、問題に焦点が合わないように餌付けられているのか分からないが、常に、問題に巻き込まれた当事者と、その周辺にいる者に、圧倒的な温度差が生じている。

 まさに、「ドレイクの法則」が当てはまる。人類に残された時間は、少ないと思う。

 だからこそ、この無気力や無関心を乗り越えて、新しいパラダイムに踏み出さなければならないし、それを提示しなければならないと思う。

 私は、それが「仏教ルネサンス」という動きの中にあると信じている。

 下記、もう何年も前に書いた『宇宙からの贈り物』という文章。

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 シュメール人はアッカド帝国に滅ぼされ、アッカド帝国はバビロニア帝国のカルデア人に滅ぼされた。カルデア人は遊牧民で、夜になると星の動きを読み、季節の変化にともなって星が移動することを知り、活用しはじめた。そして、多くの星が規則的に変化しているにもかかわらず、五つの星だけ他の星よりも一段と輝き、何より全体の秩序から外れていることに気づいた。カルデアの人は、それらの星を「行く先に迷っている星」「惑える星」「プラネット=惑星」と呼んだ。それが、水星、金星、火星、木星、土星である。

 カルデア人は、この五つの惑星に神が住んでいると考え、太陽と月を付加した七つの星に、人が生まれてから死ぬまでの一切と、地震や洪水や飢饉(ききん)という自然現象の全てが支配されていると信じるようになった。これが星占い、占星術の起源である。

 この惑星による運命論を、根底から突き崩したのは、約450年前のニコラス・コペルニクスだった。この聖職者にして政治家、医師にして詩人でもあった数理天文学者は、地球が宇宙の中心で制止しているのではなく、太陽の周りを回る惑星の一つに過ぎないということを明らかにした。地球自身がプラネットだったのである。1543年のことだった。七つの惑星が地上の人や出来事に影響を与えているという考えは、地球がその惑星と別の存在、宇宙の中心にあればこそ、それなりに理に適っていたのだが、コペルニクスは地球も大きな体系の中の一つの惑星だと明言したのである。

 星占いは、こうした発見の後でも相変わらずの人気がある。それは、ほんの一息ついてリラックスを求めるための一杯のコーヒーのようなものなのかもしれない。しかし、真実の仏教では、こうした占いを見ることを戒めている。それに心を縛られて、自分が幸せになる可能性や「自由」を失うことになるからである。

 宇宙や星の運行には法則があり、発見もあり、未知の世界に興味も尽きない。しかし、それは「占星術」とは違うものだ。むしろ、相変わらず占星術のようなことで、人生や、あるいは国家経営まで、一喜一憂、右往左往しているとなれば、むしろ「ドレイクの法則」の方が頭に浮かぶ。

「N=Ns×fp×ne×fl×fi×fc×L/G」

 天の川銀河に人類のような高度技術文明を持つ生命が存在するかどうかという問題を考える時に出てくる「ドレイクの方程式」。この銀河系に存在する高等文明の数を「N」とすると「Ns」は、銀河系に存在する恒星の数。「fp」は、その恒星が惑星系をもつ確率。「ne」は、そのなかで生命が生存可能な環境をもつ惑星の数。「fl」は、そこに生命が発生する確率。「fi」は、その生命が知的生命体に進化する確率。「fc」は、その生命体が他の星に対して通信をおこなえる確率。「L」は、その高等文明の継続時間。「G」は 恒星の寿命。

 数式一つ一つに数字を当てはめ、科学的に推定を加えたものでは、今現在の時点で人類と同じような高等技術文明を持つ知的生命体が存在する可能性のある星は約1000個。この数式で最も重要なのは「L」、高等文明の継続時間である。ある学者は、高度な技術を持つようになり、宇宙の存在を知り、理解するようになった文明の継続時間を100年としている。智慧を発達させると同時に人類はその愚かさから自滅するというのだ。1000個の恒星までの平均距離は、およそ100光年。文明の継続時間がもし100年だとすると、地球圏外の生命と交信することは極めて困難ということになる。

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