英国では変異種の死亡率は従来のものの3倍と発表されたようです。しかも感染率は8倍というのですから何とも言葉がありません。
新型コロナウイルスは大変に恐ろしい病気ですが、もっと恐ろしいのは心の中に生まれるウイルスで、こちらも上手に変異を重ねて生き残ってきました。
こうした心のウイルスに勝つためのワクチン、免疫力を高める薬が仏法であり、御題目の教えのはず。「雨ニモマケズ」このワクチンをたくさんの方に接種いただけるよう励むことが菩薩行と教えていただきます。
昨日、新型コロナウイルスに感染し、自宅療養中だった東京都の30代の女性が自殺したと発表されました。
恐ろしい孤独だったと思います。本当に、想像するだけで、胸が痛くなります。
今の日本社会で感染すると、得体の知れない差別のようなものが生じて、白い目か何か分かりませんが、そういう雰囲気、空気があると思います。
日本の感染症対策はクラスターの発生源を追いかけるやり方とのことですが、このやり方を一刻も早く転換すべきでした。
それでなくても日本人には恥の文化があり、島国根性があります。
第一波の時は、以前から比較的多くの方がマスクを着用していた日本人のライフスタイル、清潔さ、人と人との距離感、従順で真面目な国民性が功を奏した。
しかし、乾燥する寒冷期には通用せず、Gotoもあって全国的な感染拡大となりました。
現在、世界の感染者数は1億人まであと3000万人。亡くなられた方々は200万人を超えました。
そして、日本でも35万人の感染者、死者は約5000人。
この際、まずはニューヨークやイギリスのように、圧倒的な大多数の人びとが、簡単にできるように体制を整えて、この重たい空気を払拭して臨まなければ、精神的に追い込まれてしまうのではないかと懸念します。
人間の持つ、心の中に入り込む、ウイルスによって、人を差別したり、攻撃したり、蔑んだりして。
もっとオープンに、もっと慈悲を最大化して、新型コロナウイルスの対策を転換し、進めていただきたいと願います。
実は、お寺の中でも、うっかり病気になったことを言えない、という雰囲気が存在すると聞きます。
というのは「病気」と言ったら、すぐに「謗法や罪障でそうなった」「改良しましょう」「お助行しましょう」と言われ、なにか穏やかではないというのです。
ですから、病気になってもお寺には内緒。治ってから言います、なんて聞いたことがあります。
これは、本当にいいことではありませんね。いい雰囲気ではない。
確かに、お互いに支え合い、励まし合い、戒め合い、お折伏をし合うことが大切。しかし、この教えを片手で捉えると、息苦しく、ギスギスしたものとなってしまう。
何よりも大事なことは「慈悲を先として」ということなのです。「慈悲」がなければ全く意味がないのです。
妙深寺では「生きたお寺」も一歩間違えればギスギスした雰囲気になってしまうことを念頭に、だからこそ「慈悲」こそ最も大切なご奉公の根幹とご披露を重ねています。
新型コロナウイルスに感染した人に対する雰囲気、私がいつも気をつけている雰囲気、なぜか重なります。
為政者、関係者は、心を見て、心を守り、心をつなげ、心を治すことを考えなければならないと思います。
とにかく、心のケアをしっかりとしてゆかなければなりません。
妙深寺では「感染したかもしれない」「感染してしまった」という方々への心のケアをスタートしています。
不安になっている方の連絡に、御講師が真摯に答え、色々なアドバイスをしたり、万全の対策を取りながらお供水や物資を届けたりしています。
緊急事態宣言下、たくさんの制約がありますが、だからこそ試されていると思って、頑張りましょう。
「昨日は人の上、今日は身の上」です。
絶対に変な差別をしてはいけない。いつか我が身に返ってきて後悔することになります。
ありがとうございます。
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