2008年10月10日金曜日

この危機に際して

 横浜から京都、京都から横浜。
 今朝、百万霊会と本山宥清寺大屋根御修復の起工式が行われ、午後から支庁長会議。支庁長会議では青少年の一座の映像をご覧いただき、あの夏の日、若い人たちがどれだけ感動詞、熱い涙を流したかを感じていただこうと、短時間だが放映させていただいた。少し時間が足りなかったが、とりあえず、よかったとしたい。
 その後、新幹線で横浜へ。新幹線の窓から田園。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とは、示唆に富んだ歌だ。そう、そういう気持ちで、自分を見失わないように、コツコツとご奉公させていただかないといかんな、と思いを新たにした。
 恐ろしい大暴落が続いている。今日は8200円台らしい。円高が進み98円。対ユーロでは132円?おおいおい、去年は180円近かった。今年でも165円。これまでが異常だったのか。日本の強さが認められている証拠か?
 この危機については、「ブラック・マンデー」備えあれば憂いなし」と少し触れてきたが、本当に身近な生活レベルにまで危機が迫っている。日本の政府はどうも頼りない。野党よりも与党が政局を気にしているようで、所信表明の時点では既にリーマンも破綻し、こうなることは大いに予想できていたのに、今更ながら金融危機を理由にして何だか分からなくなっている。規模の面で効果の薄い対策を通して、また追加経済対策の話。無為に時間が過ぎているような気がしてならない。
 ローマ法王ベネディクト16世は枢機卿会議で「これからもっと多くの銀行が倒産する。お金が価値を持たなくなるだろう。砂の上に豪邸を建てても長続きしない」と発言したらしい。もともと、キリスト教会は金融という世界を忌み嫌ってきたのだが、この危機に当たって非常に強い口調で批判したということだろう。リーマンのファルドCEOは米国議会で証言し、全て人のせいにしていたと聞く。2000年以降でだけで500億円のボーナスを手にしていたというのだから、恐ろしいなぁ。
 仏教徒として思うに、この危機を回避するために躍起になり、恐ろしく桁外れな追加支援や対策に資金を投じるよりも、これまでの金融・経済のシステムが異常であったことと、それを改善することに力を注いでもらいたいと思う。そう、つくづく思う。
 この危機で、苦しむ方々が多くいる。しかし、なぜ、このような問題が発生したのか。どうにかして、この根本的な問題を明らかにして、地球環境、人間というものに着目して、新しい金融(?)・経済システムを構築して欲しいと思う。今の危機を乗り越えなければならない。しかし、それは対処療法で終わるのではなく、人間として謙虚に、根本的な問題を洗い出して、本当に、人類に資するシステムを作っていただきたい。仏教的に。つくづく、そう思う。

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