2008年10月16日木曜日

スリランカという国を思う

 いよいよ、本番が近づいている。
 今朝は9時半からシャンタさんと打ち合わせ。奥さんも来てくださり、土曜日の午前と午後に奉修される御講ミーティング、日曜日の記念大法要、ケーグルでの御講、アヌラーダプラでの法要と、これらのオーガナイズ、マネジメントについて話し合いを持った。
 私が最初にスリランカを訪れたのはインドに行く前だった。最初の訪問時、今では親しくなったチャンダララットゥナ師の寺院が所有する山の山頂まで上り、福岡御導師の随行として法要に参列した。ひどい暑さの中で山道を登った。頭から足の先までびっしょりになった。しかし、そこにいる多くの純粋なご信者さんや村人たちを見て、一瞬でこの国に魅了され、大好きになった。
 以来、10回まではいかないが、度々この国でご奉公させていただくようになり、回を追う毎にスリランカという国が好きになっていった。知己の人々もたくさんできた。いつも私は手の中に収まるほどの小さなノートを持ち歩いて、そこにお助行先で会った人たちの名前を書き、どのようなお宅で、どのような想いを持っておられるか、お聞きした家族構成、自分自身がお助行中に感じたことなどをメモしておくようにしている。自分が責任講師であればいざ知らず、福岡御導師に詳細な出張報告書を書くためにも必要だと自分に課してきた。その甲斐あって、たくさんの方のお名前を覚えることになり、親しいご信者も多くできた。特に、いまのスリランカのHBSをリードする若い人たちとは貴重な絆が生まれた。
 スリランカの子どもたち。観光客の決して行かない貧しい村にも入らせていただいた。いや、むしろ、毎回そういう場所でのご奉公であったし、そういうご奉公こそ有難かった。電気もない村の中に生きる子供たちを見て、自己紹介をし、夢を持つことの大切さを時、努力し、勉強していれば、必ず夢は叶うと、「エンカレッジ」「エンパワーメント」に努めた。もちろん、彼らと共に御題目をお唱えし、彼らに御題目を唱える修行が夢を叶えるための欠かせないエッセンスであることを伝えて。
 スリランカは豊かな自然に囲まれた素晴らしい国。先進国が疎んじてしまった大切な何かが、人々の心に息づいている国。それを感じられたら、この国に来た甲斐があると言えるだろう。また、インドとは違う仏教国としての側面も感じられるだろう。その素晴らしい国に上行所伝の御題目が弘まっている。その、10年目の喜び。プロセス。成果。結実。スタート。
 いま、ホテルでは夜も更けるまでパーティーが行われている。この国も、いまや大切な何かを失いつつあるのかもしれない。スピーカーから流れる大音量の音楽とともに、見るからに刹那的な享楽の宴が行われている。外側の世界では、土間に眠るしかない家庭が溢れるほどある。貧富の差が確実に広がっている。世界を巻き込んだ危機的な経済失速が、この国にも訪れるのだろうか。まだ、この国ならば、銀行や金融が本来の使命を失う前に、痛み少なく戻れるのではないかと希望を持つのだが。人と社会を支え、育て、豊かにするための銀行業へと。スリランカこそ、仏教国としてのバランスで、経済や金融、人の暮らしなどを見据えた政治の手本を見せてくれるといいのだが。
 午後、12時45分からインディアン・トラベルのスタッフとホテル側の方との打ち合わせ。13時からディリーパ君が迎えに来てくれて、夕方までセンターやオフィスに行き、相談しながら作業を進めたり、見守ったりしようと思っている。夜、21時過ぎにホテルを出発して空港へ。22時過ぎに団参一行が到着し、お出迎えをする。空港を出た時の暗闇に驚かないように言っておかないと。
 0時には皆さんはホテルに着けると思う。

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