2009年6月3日水曜日

菩薩の稽古 『班長スクール開講』

班長スクール開校!
 5月16日・17日の両日、かねてから寺内でご披露してきた「班長スクール ~班長になるための勉強会~」が開催された。
 今年、妙深寺は「班長を育てよう」という方針を大きなテーマとしている。「班長」とは、何やら組織的なネーミングだが、そう考えないで欲しい。つまりは、自分以外の人のご信心が前に進むように、その人のそばで、支えたり、サポートしたり、励ましたりする大切なご奉公。
 それは、「お願い事は自分や家族のことだけ」「好きなときにお参詣する」といった「自分のため」のご信心から、他の人の幸せを願う「他の人のため」のご信心に一歩前進することを意味する。まさに妙深寺の大きな柱である「菩薩の誓い」の実践。「菩薩」の行いそのもの。
 今、妙深寺では「お看経のお導師役ができるようになろう」と呼びかけ、班長を育てるご奉公を進めている。今回の菩薩の稽古、みんなで共にご信心、班長について学ぶ場をつくろう!ということで、「班長スクール」と題して勉強会を開催した。第一回目は班長になるための基礎知識や、班長に欠かすことのできないコミュニケーション能力を高めるための勉強をした。いつもながら、明るく、楽しく講座を開いてくださってうれしい。
 できるだけ多くの方に参加していただこうと、各教区から推薦者を挙げていただき、その方々には私から手紙を添えてご案内を郵送した。また、開催日を土曜日と日曜日の二日間設けた。1日目、2日目合わせて104名と大勢の参加で大変に盛り上がった。開催後に集めたアンケートでは、ほぼ参加者全員が「次回にも期待をしている」と回答してくださり、ありがたく思っている。
 ご信心の本当のありがたさは「自分のため」のご信心では感じることはできない。「誰かのため」「他の人のため」にご奉公をさせていただくからこそ、何より自分が御利益を感得させていただき、ご信心の醍醐味を味わうことができる。これからも二回、三回とこの「班長スクール」を開校するので、一人でも多くの方に参加していただきたい。今年、妙深寺は50名を越える新班長が誕生する。
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 真の佛立菩薩を目指しましょう ~《班長》というご奉公の実際~ (5月教区お講・御法門より)
 ご信心をしているといっても、自分のためだけの信心は佛立宗のご信心としては半分にも満たないあり方です。人のために何かするという信心を自分もできているかどうか。人のために何か御題目を唱えるとか、そういう行動がなければ全分の佛立信心とは言えません。
 ご信心では、世間の、普通の人だったら相手にしない、遠ざけるような人にまで御法の御力を頂いて手を差し伸べる。「私がついているよ」と言えるような人間、ご信者になりなさいと、信者としての心構え、人間性を教えていただきます。
 「御題目で人を助けようと思ったら自分も助かる」…これが宇宙の真理です。決して佛立宗のルールとして人助けをしなければいけないというわけではありません。自分が幸せになるために必要なこと。だから功徳を積みなさい、ご奉公させてもらいましょう、菩薩行に精進しましょうというのです。
 世の中には苦しんでおられる方がたくさんおられます。私たち佛立信者は、そういった、世の中の人が忌み嫌う、敬遠する、疎んじるような方にまで、何の分け隔てもなく、パッと手を差し伸べられるような人間にならなければいけません。
 といっても、決して自分の才能、能力で助けるのではありません。御題目で助ける。だから誰にでもできるのです。
 今から十七年くらい前、当時の受持で、今の臨港教区の石川チエ子さんに、お助行に連れていっていただいたことがありました。そのお助行先は、誰だかも分からない、名簿にしか載っていないような方で、鶴見川の河口にお住まいの方でした。河口といっても堤防もないような湿地帯で、そこにボロボロのアパートが建っていたわけです。その二階に住まわれており、石川さんは名簿にあるというだけで、「はいお講師こちらです」と私を連れていく。
 そして、ボロボロのドアの前に立ちまして、コンコンとドアを叩かれた。しばらくしてガタガタと音がして、ガチャっとドアが開く。すると刺青だらけの腕が出てきた。私はビックリしてしまったんですが、石川さんは全然平気で「ありがとうございます。三ツ沢の妙深寺というお寺ですけど、こちらに御本尊さまがおられると思うので、お参りをさせていただきに来ました」と。
 相手の方ははじめ「なんだ! おい!」などと言っていましたが、入れてもらうことになった。部屋は荒れ放題、御宝前はホコリだらけの状態で、花は枯れ、お仏飯もカビだらけ、御本尊は真っ黒。それを石川さんと一生懸命にお掃除をさせていただき、お看経をさせていただいた。別の部屋に女性がグッタリと倒れており、、帰り際に「どうしたのですか?」と聞くと、「うち女房が倒れて、もう身体が動かねぇんだ」という。それで「御本尊さまが真っ黒ですから、お取り替えをさせてください」と言って、一週間後くらい後にまた石川さんと伺って、そしてさらにまた伺って。
 そうして四回目に伺った頃には、ご主人も座って、奥さんも壁伝いに立って御宝前の間まで来て一緒にお参りしてくれるようになりました。
 私は、四回目で奥さんが立てるようになった、という現証の御利益をいただいたというお話をしたいわけではありません。この、石川チエ子さんのご奉公、その心をご紹介したかったのです。つまり、名簿ひとつを頼りに、そうした方のところへお講師と行ってご奉公をされる。御本尊さまがあるなら、どこへでも行かせていただく。そういう物怖じしない、佛立信者としての心、使命感。その気持ちを我々は勉強していかなければならないのです。
 御本尊さまをいただいていても、ご祈願は全部自分のため、家族のことだけ。それでは本物の佛立信者とは言えません。どんな時に他の人のために動けたか、それが大事です。 「班長」を育てようというのもそこにあります。正しい信心がそこにある、それこそが本当の佛立信心だからなのです。
 もちろん一人ではなく、お講師方やご信者同士でタッグを組みながらご奉公させていただく。どんな方の所へでも、「大丈夫、私がついている」って言えるようなご信者を目指すことが肝心です。

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いよいよ「今年最後」のご奉公が続き、「よいお年を」というご挨拶をさせていただくようになりました。 今年最後の教区御講を終えた日曜日の夕方、横浜ランドマークタワーのスタジオで白井貴子さんをゲストにお迎えしてラジオの収録を行いました。ずっと聴いていたいほど大切なお話が盛りだくさん。 ...