父は、いつも「侠気(男気)を育てろ」と言っていたし、「格好良いか」「格好悪いか」という言葉を使いながら、上手に馬鹿な息子を育てようとしていたのだと思う。もちろん、その基準とは、表面の「格好よさ」ではない。内面、いや内面じゃないな。行動、アクション、生き方、生き様、所作振舞、全部を含めて、そこから外れていると「今のお前は格好悪い」「男らしくない」「情けない」と叱られていたように思う。
だから、今でも自分の中にはそんな言葉がこだましている。私の場合、あまり「格好をつけよう」とは思わない。ただ、「格好悪い奴にはなりたくない」という意識は強いと思う。というわけで、朝から、このようなタイトルで、自分は何を格好悪いと思ってるのかな、と考えていた。
格好悪い奴。
・根性のない奴
・口先だけの奴
・親の七光りで偉そうにしてる奴
・使い終わったおしぼりをグチャグチャに置く奴
・いざという時、逃げる奴。ビビる奴。
・単なる「いい人」は「どーでもいい人」
・上に媚びて、下に偉そうに言う奴
・業者さんなどが来ると突然偉そうにする奴
・おこぼれを待ってる奴
・良いトコ取りだけする奴
・暗い
・自慢話ばかりする奴
・失敗談を話せない奴
・愚癡っぽい奴
・陰口を言う奴(目の前で言えない奴)
・悪口を言う奴(目の前で言えない奴)
・冷めてる奴
・くさい
・友だちのために人肌脱げない奴
・かしそこうに見せようとしている奴
・内股
・義を曲げる
・地位をかさに着る奴
・縁故に弱い奴
・おそい
・感情で動く奴
・ゴマをすられるとブレる奴。
・敵を愛せない奴
・ケンカに弱い
・ネチネチしてる奴
・エラソーな奴
・ドジ
・いつも誰かのせいにする奴
・歌の下手な奴
・お金にものを言わせる奴
・馬鹿ができない奴
・ケチ
・他人のふんどしで相撲を取る奴
・カゲ勉
・裏や陰で、コソコソやってる奴
・人の顔色ばかり見てる奴
・最後に良いこと言おうとして黙ってる奴
・髪の毛、中途半端に長い奴
・友だちの少ない奴
・クチャクチャ音を立てて食べる奴
・弱い者に当たる奴・慈悲がない
・愛がない
・海嫌い
・結局、なにもしない奴
・とにかくヤな奴
それでも、やっぱり「この人、格好悪いなぁ」と思うこともある。地位が上がって突然えらそうに喋ってる奴や自惚れてる人を見て、「オイオイ」と思ってしまう。いつも若いお弟子には、教務が勘違いすると、本当はモテてないのに、自分だけ「俺は女性にモテてる」と思い込んでる格好悪い奴みたいだから、調子に乗るな、と言っている(笑)。
ご信者さんは、いつも丁寧にお給仕してくださる。だから、下手に勘違いする者は、「俺ってイケテル」と自惚れやすい。ここが落とし穴。変な言い方だが、「御法さま=お袈裟を敬ってくださっている」と思っておくことだと思う。「自分」じゃない。まだまだ、まだまだ、と思っておかないと、「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」と、自分の「格好悪さ」で御法さまにまで傷を付けてしまうことになる。
人それぞれ。確かに、本人は格好良いと思っているから、そういう生き方や所作振舞をしているのかもしれない。しかし、外から見ると滑稽に映ることが多い。自分で自分のことは見えないから、滑稽に、格好悪いままになってしまう。幸い、自分はまだ父から「お前、それを格好良いと思ってるのか。アホか。お前は本当に格好悪い」と言われているようで、ビクビクしてる面もある。馬鹿な自分にはそんなのがちょうどいい。
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