私の友人には、恐るべき男たちがいます。彼らは、男が惚れるような男で、見た目はちょっと近づくのも怖くなるような人たちなのですが、本当は根っから心優しく、志も高く、とても良い人たちです(怒るとムチャクチャ怖いですが)。
成人式の後、その友だちの中でも最も近づきがたいであろう「男」である友人の家でご回向がありました。ちょうど一年前、西郷隆盛を彷彿とさせる彼のご自宅に御本尊を奉安させていただきました。彼自身の発願によって、素材から選んで御戒壇を建立しておられます。これから、大きな台と屋根をお付けします。
数百人のスタッフを擁して、全国で有数の店舗を経営するカリスマとして、彼の人間性には見習うべきものがたくさんあります。ご家族一同は、とても素直で、ご長男は無始已来から南無久遠まで、本当に、大きな声で唱えてくれました。柔道をやっていて、礼儀も正しい。これからが頼もしいです。
完全な肉食系男子で(笑)、こういう男しか友人にいないのが淋しい気もしますが(笑)、頼もしく、こちらも気合いが入ります。最前線で、たくさんの人の命や生活を背負い、ギリギリの状態で生きている男の言葉は重いです。これから、もっともっと佛立仏教徒として進化し、開花していただきたいと思っています。彼の、素晴らしい、うっとりするような御題目の声が、何より有難いと思います。これから、です。
成人式の疲れも忘れて、みんなで記念撮影しました。お子さんたちから私の子どもたちにプレゼントをもらいました。大怪獣バトルのカードでした。喜んでいました。ありがとう。
とにかく、最近思うのは、本物の「男」は、すごい。「世法即佛法」という教えの通り、御法門の筋、信心の筋、天地自然の理を、よく理解しているということです。もちろん、「男」に限りませんが。真剣に生きている人は違う、と思います。
先日、岩城氏の家で会食していた時も、そのお話に感動しました。葬儀の時、岩城氏には、とにかく御宝前に向かって御題目をお唱えしていただくようお伝えしていました。そして、そのとおり、御宝前に向かって、ご家族ご親族一同、たくさんの御題目をお唱えしていただきました。本当に、厳かで、有難いお見送りができました。ただ、それはつまり、お通夜などでお焼香に来てくださった大勢の方々にご挨拶が出来ないことになります。御宝前に向かわれているのですから。
その日、お父さまの葬儀の時の思い出話をしていたら、岩城さんは唐突に言いました。
ドキッとしました。苦情があったのかなぁ、と思いました。しかし、すぐに続けて、
「だから、俺は、言った。お前の顔をなんで見なけりゃならないんだ。俺は、親父を真剣に見送りたいんだ。それを、お前たちも思って来てくれてたんじゃないのか。そんな、義理や酔狂で来るなら来ることねぇじゃねえか。それから、付き合いやめちゃったよ」
本当に、ありがたい。男です。筋が通ってる。教えのとおりです。
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