昨日の素敵な結婚式。2組目は大介くんと由香ちゃん。昨年、結婚式を挙げたのだが、由香ちゃんの篤いご信心から、どうしてもご宝前で結婚の言上式をさせていただきたいというお話をいただいた。夫となる大介君は、ご信心のことは何も分からなかった。お寺の前まで迎えに来たことはあったという。しかし、お寺の中に入るということはなかったようだ。
昨日、15時からの第二本堂。厳粛な中でもアットホームな結婚言上式を挙げさせていただいた。ガラスの上に認められた御本尊、凛とした空気の中に清従師の声が響き、結婚の言上式が始まった。参列はなく、二人だけがご宝前に緊張した面持ちで座っている。正式な結婚式と全く同じように、丁寧に言上させていただき、二人が結ばれたことをご宝前にご報告申し上げた。
振り返って、二人で誓いの言葉を読み上げ、誓詞への署名、私からの訓辞。私の訓辞では、お祖師さまのお手紙の一節をお伝えした。
「生生世世の間ちぎり(契)し夫は大海のいさご(沙)のかずよりもをゝくこそをはしまし候けん。今度のちぎりこそまことのちぎりのをとこ(夫)よ。そのゆへはをとこのすゝめ(勧)によりて、法華経の行者とならせ給へば佛とをがませ(拝)給べし。」
私たちには、長い命と短い命がある。短い命、今回の短い一生の中で、二人は今日結ばれた。しかし、このお手紙で教えていただくように、生まれ変わり、死に変わりしてきた私たちの長い命に着目して考えれば、生々世々、人間か動物か、他の想像を超えた生命体かは分からないにせよ、いろいろな縁で結ばれ、契りを交わしてきたかもしれない。今回の宇宙で考えても、138億年±2億年の長い間の話。それは、きっと海の砂の数よりも多く、いろいろなものと結ばれ、「契り」を交わしてきたのだろう、と。
今日、こうして、この一生では特別の「契り」を交わし、そのことをご宝前に言上させていただいた。だとすれば、「この度の契りこそ、まことの契り」と言えるような、素晴らしい家庭を築いてもらいたい。そのためには、どうすればよいか。それが、「信」のある家庭、「信」のある生き方を二人でするということ。「法華経の行者とならせ給へ」と仰せであることは、自分だけ、自分の家族だけ、という生き方ではなく、法華経の教えをいただいて、菩薩の誓いを実践する二人になること。これが、永遠の時間の中でも、二度とない真実の「契り」「夫婦」であるといえるのだ、と教えていただく。
そうでなければ、やはり、深い意味において「真実ではない」ということになる。どれほど愛していても、生々世々に様々な他の者と契りを交わしてきたことを思えば、今日結ばれることが、いささか軽くなってしまう。どうか、この度こそ、真実の契りへ。ご信心をさせていただいて、二人が永久に結びついていられるように。
それにしても、素敵な二人だ。みんな、若くて、希望に満ちてる。未来は明るい。
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