2011年7月25日月曜日

夏の随想

大親友からお誘いメール。毎年恒例の夏。

なかなか時間が取れなくて哀しい。友人たちと一緒に鳥や魚のようになって一日を過ごしたい気持ちもあるんだが。

一日、海や山で過ごしたい気持ちもあるのだけれど、結局やらなきゃいけないことが頭から離れなくて落ち着かない。きっぱり、本庁のご奉公を下がるか、本でも書き終えないと駄目なのだと思う。

「ナガマツくんはイタリアが好きだから、フェラーリが好きかな。そんな車で世界中を旅したいのでは?」

そう聞かれたことがある。なぜか頭から離れない。というのは、フェラーリなどに何の興味もないからだと思う。それ以前に車に興味がない。そういう価値観を、ずいぶんと若い頃には持っていたと思うが、もう何も感じない。別にどうでもいいし、何でもいい。

好きなものや趣味を持つことは人生を豊かにするだろうか。ある一定の段階まで、それは真実だと思う。でも、知ってしまったら、開いてしまったら、それ以上価値あるものに気づいてしまったら、そこに、どうしても心が向かなくなる。

別に、それが価値のないものだとは言わない。いいものを食べ、いい服を着て、高級車に乗り、邸宅に住む。それを、何を「目的」にしているかということが気になって仕方ない。

自分の欲を満たしているだけなら、ネズミと変わらない。次の日からも自分のためだけに生きている人間が、ストレス発散といって、何のためにリラックスし、何のために楽しんでいるのか分からない。それはネズミがカラカラと檻の中の車を回しているのと変わらないように感じてしまう。

「面白くもない人生だな」と言われるかもしれないが、それが実に気持ちよくて、毎日が満たされている。何がなくても、満たされているのだから、仕方ない。

きっと、人生に必要なのは、「目的」と「意志」。それがセットされると、自動的に方向を定めて走り出す何かがある。

変わったんだな、ここは。学生の頃とは、本当に変わったな。勝ち抜こうと思っていたし、女にモテたいと思っていたし、格好をつけていたから。海でも、一番格好よく、元気でなければならないと思っていたし。

ただ波と戯れていたのではなく、僕たちにはスポーツがあり、そのスポーツもただの遊びではなくプロになるまで極められたのだから幸せだった。無駄ではなかったと思うけど。

そうは言っても、仲間と過ごす一日を見つけたい。いつも、支えてくれるし、会えば、学ぶことがたくさんある。

そう、年内に、アフリカに行こうと思う。エチオピアを訪ね、そしてケニアにも行きたい。あのンゴング丘陵にも行きたい。ピーター・ビアードはニューヨークに帰ってしまったのかな。会えたらいいなぁ。

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