2014年1月4日土曜日

息子たちへ

京都に帰ります。

ビューン。

若い頃、それは少しの間で、後になって全く間違っていたと気づくのですが、僕は京都が大嫌いでした。

京都で生まれて、横浜で育ったのですが、本当に、千年の都である京都と、開港の街・横浜とでは、正反対と言ってもいい面がたくさんあります。

保守的な京都と、革新的な横浜。

若い頃は、京都の保守的なところがまどろっこしくて、差別的で、縁故主義で、閉鎖的に思えて、遠くに置いていたのですね。

反対に、新しい人やものを積極的に認め、受け入れる横浜は、何でもオープンで、偏りがなくて、どこか心地いい潮風を受けているみたいで、好きだったのです。

正反対だから、若い頃は単純に、こっちが好き、あっちは嫌い、となっていたのでしょうか。

置かないと、見えないことがあります。少しスピードを落とさないと、見えない景色がありますよね。

お城のない街では、なかなかビジネスが難しいと聞いて考えさせられました。

京都らしさ。京都の強さ、素晴らしさ。町衆の、しなやかさ、したたかさ。守り、伝えてゆくということの、凄まじさを感じられるようになりました。

自分の中に、京都があって、横浜があることを、本当の、本当に、有難く、嬉しく、幸せに思います。

その真ん中で、守り、弘めてゆけたらと思います。

僕のような人間が、ハーフの息子を持つということに、頭を傾げる方がたくさんいると思います。でも、実は、これもずっとずっと以前から、自分を突き動かしてきた、巨きな意思によるもので、今は分からなくても、きっと後で分かると思うのです。

彼らにも、宇宙で最も壮大と思われるミッションに、出会って欲しい。巨きな意思の中で、突き動かされるように、生きてゆく幸せを味わってもらいたい。

親として希うのはそれだけです。

第二次世界大戦後、人間ははじめて宇宙から地球を眺めました。

そしたら、あれだけ、国家だ、民族だ、宗教だ、思想だと、ドンパチして、殺し合いをしたけれど、宇宙飛行士たちから届いたメッセージは、まるで仏陀が言っていたように、地球以外は、宇宙は真っ暗で、恐ろしかった、その漆黒の闇に浮かぶ地球は、まさに、唯一生命をたたえた、かけがえのない星、家であることが分かった、宇宙から地球を眺めたら、国境線もない、人種も、何もない。ただ一つの生命の星に、寄り添って生きているのが、地球の人間、地球の生命たちだった、と。

千年の伝統を守る大切さ。しかし、千年の伝統だけでは開かない次の扉。

ハーフの息子たちは、祖国に迷うかな。悲しい思いをするかな。しかし、生き様として、日本の古都に故郷を持ち、伝統的な仏教徒の家に生まれながら、最も革新的な叡智を求めて、奮闘してもらいたい。

今の時代の挑戦は、そんなところにあると思います。

いつか、息子たちへ伝えたいですー。長松家の、ハーフの息子たちへ。「変なのー」と笑わないでくださいね(笑)。

今日は京都に帰ります。

ちなみに、富士山の写真は、全部僕が撮ったんですよー。きれいに撮れているでしょー。ほんと、美しい。

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