仏教について考えるだけで思いやりが深くなることが判明
仏教は非暴力、慈悲、全てのものとのつながりの哲学を説くことで知られている。新たな研究によれば、ただ仏教用語に触れるだけで、仏教徒であるかどうかにかかわらず、積極的な寛容さと慈悲の気持ちを引き起こすことができるという。
スタンフォード大学の研究グループは、ベルギーと台湾のグループと共同で、異なる宗教的バックグラウンドを持つ人々を仏教の考えに触れさせれば、偏見をなくすだけでなく、他人への責任感を持ったり、慈悲や共感といった感情を覚えるなどの、向社会的な性格を育むことを発見した。
「 Personality and Social Psychology Bulletin(PSPB)」の4月号で発行されたこの研究は、「プライミング効果」として知られる現象に焦点を当てている。プライミング効果とはある特定の言葉やイメージ(この場合は仏教の言葉)に触れるときに発生し、無意識のうちに思考や振る舞いに影響を及ぼすものだ。
研究のために全部で355人の被験者がそれぞれのバックグラウンドに基づいてグループ分けされた。西洋のキリスト教徒、仏教の教えに従う西洋人、仏教と道教のバックグラウンドを持つ台湾人などだ。これら3つのグループはさらに、宗教的なプライミングが起こるグループと、宗教的ではないがポジティブな意味の言葉(花、太陽、自由など)を使うようになるグループとに分けられた。
さらに、被験者たちは他の異なる民族的、宗教的グループへの偏見を明らかにするように意図されたテストを受けた。
全てのグループの中で、「仏陀」や「ダーマ」「目覚め」などの言葉にワードパズルで触れたグループは、キリスト教や宗教的ではない言葉に触れたグループよりもアフリカ人やイスラム教徒へのネガディブな反応が少なかった。
仏教の言葉でプライミングした被験者たちは、向社会的な行動を測定するテストでも高いスコアを獲得した。これらの効果は心のオープンさを測るテストで高いスコアを出したグループで特に明らかだった。
向社会的な行動は多くの部分で、異なる考えを重んじ、普遍性やつながりを大事にする仏教の価値観の核と合致している。
しかしながら、研究グループは仏教が他の宗教より「良い」ものであるということではないとしている。
「私たちが主張したかったのは、仏教の考えが、文化的グループを越えた寛容と関係があるということです」と、スタンフォードのポストドクターの学生で、研究の著者の1人であるマガリ・クロバート氏はハフポストUS版に語った。「つまり、少なくとも人々の考えの中に、仏教が寛容と慈悲の宗教であるというイメージがあるということです」。
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