2015年10月17日土曜日

マイナンバー制度

マイナンバー制度が、始まるそうですね。

米国の、社会保障番号と同じような制度になるのでしょうか。

ビッグデータの収集から位置情報の解析、個人の情報が多元管理、一元調査できる、恐るべき時代が来ていますね。

これに人工知能が開発されれば、ほぼマークされた人のプライバシーは丸裸になるでしょう。

仕方ないことかもしれません。

米国国家情報会議が編集・出版した『2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」』にも、「近未来、これらの情報を活用して犯罪が少なくなる」と書いてあります。

インターネットや携帯デバイスが受発信した情報を、追跡したり、解析したりすれば、当然のように、犯罪は減りますね。

テロリストを割り出すのも、位置情報を割り出して攻撃するのも、この方法なのだから。

軍事技術はすぐに一般化される。

犯罪を未然に防ぐ、迅速に解決することが出来るようになる。

しかし、プラスもあればマイナスもあり。

個々のプライバシーは間違いなく侵害されることになりますね。

犯罪の抑制や解決のために、個々人の自由度を削るということなのですね。

うーん、困ったことですねー。

単に、プライバシーの問題ではなく、もっと奥深いところで、心配。

いつも、真っ当そうな理由を掲げて、結局巨大企業に仕事を回すだけだったり、民衆の手枷足枷を増やすだけだったりしてきたのですから。

日本社会の問題の根源にあるのは「官尊民卑」の思想と構造で、これを何とかしないと何ともならないように思うのです。

テクノロジーの進化も、今のところ権力を有する側を利するだけになってきました。

ですから、そうなる可能性の方が大きいと思います。

しかし、マイナンバー制度の導入の可否や、危険性の話だけでは、浅すぎます。

便利になることもあれば、それが悪用される危険性もある、だから気をつけて、と。

それも、そうです。

でも、なぜ、もっと大事なところが語られないのかな、と思います。

テクノロジーの進化やマイナンバー制度の導入によって、中央や地方の公務員の人数がこれだけ少なくなる、という話を聞きません。

これこそ、日本社会の問題、政治不在、官尊民卑ではないのかな。

国会議員が多すぎる、議員定数も削減できない、おかしくないのかな。

ここを減らして、ここを増やしてって。

俗な言い方をすれば、そういうのを「いってこいて」と言うんじゃないのかな。

日本人は言葉を信じて、言葉に酔い、言葉にすぐ飽きる。

言葉の新鮮さに、とても敏感。

逆を言えば、言葉から新鮮さが無くなると一気に離れ、言葉が新鮮だと中身を考えずに飛びついたり、認めてしまったりする。

本質まで、たどり着かない。

悲しいかな、そういう民衆の癖を見抜きながら、為政者も、巨大な官僚システムも、政治や行政をしているのだと思います。

いろいろな制度が出来て、国民はそれを受け入れてゆくけれども、政治や、行政は、どこまで自身を省みて、具体的に身を削っているかを、問わなければならないはず。

マイナンバー制度と、軽減税率の話は、そういう話をさせずに、また利害をチラチラさせるまやかしではないのかな。

マイナンバー制度を導入することによって、行政システムの利便性が向上し、行政そのものの効率が上がるんではないのかな。

なぜ、便利になるのに、お役所の人は少なくならないのかな。

一般社会では、IT化は、リストラと一体になって考えられてしまう。

みんな、ギリギリのところで、働いている。

不安定な雇用環境の中で。

だから、マイナンバー制度を導入することによって、国家公務員や地方公務員は半減できる、巨大な行政システムが縮小できる、少なくとも縮小方向に進む、と言わなければならないんじゃないのかな。

そういうプレゼンテーションではないのでしょうか。

もう、そう言っているの?

でも、全然語られていません。

巨大な政府、巨大な官僚システム。

国家公務員や地方公務員の方々を、目の敵にしているという話ではありません。

いい時代は、終わりました。

圧倒的に厳しい変革に、国民全員がさらされているのだから、官も、民も、同じく富も痛みも、シェアしなければならないと思います。

やはり、今でも官尊民卑です。

別の話ですが、宗教法人法の改正も、宗教法人に対する税制上の優遇も、変革の時期を迎えていると思います。

人びとの信仰を守る、その施設や団体を守ることの大切さは法律のとおりです。

しかし、インターネットで宗教法人格が闇取引されるような時代です。

宗教法人が脱税の隠れ蓑になったり、活動実態のない宗教法人があまりにも多い中で、さらに厳正な法制度に改正されるべきでしょう。

ただ、これも、宗教法人が各政党の票田と直結しているため、改正の議論すら進みません。

頼れる政治家が見当たらない中、官尊民卑の土壌を改善してゆかなければ、民衆が一方的に管理されるだけの時代がやってくるように思います。

杞憂でしょうか。

マイナンバー制度を導入するならば、政治や行政がこれまでよりも効率的になるので、国会議員も地方議員も半分、国家公務員も地方公務員も半分くらいになる、そんなお約束ができたらいいですね。

新幹線の中で記事を読みながら、久しぶりに政治について書いてみました。

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