昨日のお通夜、今日の告別式。
93才の中島きみさんのお見送りのご奉公でした。
昨夜は感極まって涙が溢れました。
去年の7月19日の御講では、みんなでサプライズのバースデーケーキを用意してお祝いしましたね。
嬉しそうな顔、忘れられません。
今年の2月9日には、入院中の病院に伺いました。
リハビリ室でした。
辛そうだったけれど、顔を見せたら満面の笑顔になり、「うちの住職、うちの住職!」と、担当の介護士さんにご紹介くださいました。
本山から帰りたての私の、最初の受持教区のご信者さまたち。
鈴木久子さん、中島きみさん、石川チエ子さん、竹内照子さん、森山トキさん、、、、。
気がつけば、仲良しチームの皆さんが、寂光に帰られてしまいました。
ご信心を教えていただき、ご奉公を教えていただきました。
かわいがっていただいて、楽しく、親しく、ご奉公した頃が懐かしいです。
こんな素敵なご信者さま方が亡くなられて、妙深寺大丈夫だろうかと心配になってしまいますが、現在の臨港教区の皆さまも心を一つに合わせて、ご信心に、ご奉公に、精進してくださっています。
この前の、サプライズのお祝いが素晴らしい一例です。
寂しいけれど、寂しさを力に変えて、もっと頑張ります。
声が枯れていて、ごめんなさい、きみさん。
最後に会った時、手に手を取って、抱き合って、お別れしたこと、忘れません。
また、お会いして、みんなと一緒にご奉公できる日を楽しみにしております。
『妙深寺報』に掲載された中島きみさんの御利益のお話、みんなにプリントして読み返しました。
「老衰」ですもの、最後まですごいです。
「 身を以て体験したこと
臨港教区 中島きみ
ありがとうございます。
この度、はからずも私自身が戴いたご利益を、皆様に聞いて頂きたいと思います。
九月二十七日の夜、休もうと床に着きますと、どうしたことか急に脇腹が痛んでまいりました。そしてその痛さはだんだんひどくなり、とうとう眠れぬほどの痛みになりました。
「明日は教区事務がある、少しでも眠らなければ」と焦るのですが、眠るどころではありません。蒲団の上でうつ伏せになり、それでもウトウトしたのか、朝を向かえました。
心なしか痛みも少し和らぎ、脇腹を押さえながら、お寺に行きました。そしてそこに居合わせた教区の人達に、昨夜の痛みの事を話しますと、皆が心配して、「早く病院へ行かなければ駄目じゃないの」と言われました。急ぎかかりつけの医院へ行きましたら、先生は診察をするなり、「帯状疱疹だ。明日あたりから帯状の湿疹が出るでしょうから、そうしたら又来てください。」と言われ、採血をして帰宅しました。
しかし、翌日の夕方になっても、湿疹は出ません。するとお医者さんから電話が掛かってきました。いつもは看護婦さんからなのに、先生自らの電話です。
私は、「ああ、何かあるな」と直感しました。案の定、帯状疱疹は先生の誤診で、本当は“胆石”だと言われ、「沢山水分をとって下さい」と指示してきました。きっと診察した時に石があったのでしょう。今は少し痛みはありますが、耐えられないほどではありません。
早速御宝前にご祈願し、たくさんの瓶に水を入れてお供えしました。それから吾を忘れてお看経を戴きました。お看経が終わった時、水道水がお供水に変わっているように見えました。(こんなに飲めるかしら?)と思ったお供水も、全部飲んでしまいました。
そして、エコーを撮りましたが、どこにも石は見当たらないのです。先生は、「おかしいなー」としきりに言っておりましたが、とにかく石は消えていました。
所が一難去って、また一難。今度は、採血の結果、肝機能の数が、標準の三倍以上も高いというのです。先生は、「こちらではこれ以上の検査は出来ないので、紹介状を書くから、東神奈川の済生会で検査してください。」と言われました。私は、済生会は気が進みませんでしたが、主治医の紹介では厭とも言えず、お願いしました。済生会は満員でしたが、紹介状があったので、すぐ診察を受けることができました。その日は問診だけで終わり、「十月三日に、採血と超音波の検査をしますから、食事をしないで来てください」と言われました。十月三日は、高祖会併せてご住職就任式の、当番参詣の祈願参詣の日なのです。私は、「先生、都合が悪いので、他の日にして下さいませんか?」とお願いしました。先生は、「なるたけ早いほうがいいよ。でないとまた一週間延びてしまうよ。」と言われました。私は、先生が決めた三日にし、さて当番参詣の導師をどなたにお願いしようかと悩んだ末、元連合長の鈴木光さんにお願いすることにしました。
超音波検査の時、検査技師が、先生を部屋に呼んできて、何やらヒソヒソ話をしていましたので、ちょっと不安になりました。検査結果を二時間位待ったでしょうか、名前を呼ばれて診察室に入りました。診察室の空気は、心なしか緊張していたようでした。先生はおもむろに、画像を私に見せながら、腸の脇辺りを指し、「ここに一センチ位の影があるでしょう。これがね・・・」と、言葉をにごすのです。私はおもわず、「ガンですか?」と言ってしまいました。先生は、「そうです!」と何の迷いもなく、そう言い切ったのです。私はその瞬間、ガンで亡くなった主人の闘病生活や、ご奉公が出来なくなる自分の事を思い、足もとが崩れてゆくようでした。先生は、「早期発見ですから、手術をしなくても内視鏡で取れますから。」又、「念の為にMRIも撮ってみましょう。」と言ってくださいました。
それから毎日、朝参詣・夕看経と、お供水をたくさん頂きました。MRIを撮って結果がでるまでの一週間、お寺と家とで、ただ一心におすがりいたしました。
検査の結果は十一月六日です。そしてその日は教区お講で、主人の命日でもあるのです。教区お講中は、ご住職がおあげする御題目に合わせた木琴の音が、私の心を落ち着かせてくれました。
予約時間の三時三十分、診察券を出すとすぐ呼ばれました。先生は、「中島さん、不思議なんだよ。ガンが消えているんだよ!」と画像を見せて下さいましたが、私も確かに見たあの「影」がないのです。あんなに丁寧に、何回も検査し、確かに存在したガンが消えている。もう胸が一杯になり、ジワジワと嬉しさがこみあげてきました。済生会の玄関を出たとき、
“お講師始め教区のみなさん、ほんとうにありがとうございました”
と、大声で叫びたい心をやっとおさえました。
この感謝の気持ちを忘れずに、今後尚いっそう信行ご奉公に気張らなければと強く思いました。
ありがとうございました。
合掌
平成十三年十二月十七日」
佛立信心の教科書に出てくるような、現証の御利益です。
朝参詣、御題目口唱、お供水、、、、。
ご挨拶でももうしましたが、ただただ、ご家族、ご親族の皆さまが、しっかりと法灯相続なさって、末長く幸せでありますように願っております。
ありがとうございます。
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