2020年7月11日土曜日

今日から終戦75年特別展























終戦75年 特別展「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」

あれから5年。
終戦70年を期して開催した「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~』 展は私たちの想像を超えた反響を呼び、平和の祈りは京都から全国、全世界へと 広がってゆきました。 広島平和記念式典への参列、ローマ教皇への写真集献上と教皇による全世界への配布指示、2度にわたるサンマリノ共和国での写真展の開催、教皇の来日、東京での写真展の開催や各種メディアによる「焼き場に立つ少年」の報道。幼い兄弟の姿はまさに世界中の人びとの目に触れたのでした。
本年、全人類を襲う新型コロナウイルスの脅威の中、世界は第二次世界大戦から75年の節目を迎えました。生きた仏教のミュージアムが考える戦争と平和。終戦75年の特別展はその発信 源の一つである京都佛立ミュージアムが原点に還るべき機会と捉えます。 若き従軍カメラマン、ジョー・オダネル氏が撮影した終戦直後の日本と日本人の姿。敵愾心に燃えて佐世保に上陸したオダネル氏は焦土と化した各地を転々とします。長崎で幼い弟を背負う少年と出会った頃には敵と味方の境界を超えていました。この事実が私たち仏教徒の学ぶ戦争と平和の本質を表すものだったのです。 オダネル氏の代表的な1枚「焼き場にて、長崎」のみならず、彼の辿った心の変 遷を追体験することに重点を置いた展示。 敵を敵とする人間の心は幻想であり、正義や大義すら信じるに値しない。人間が人間を知ることによって真理を見出し、自分と他人、此方と彼方、敵と味方の境界すら越えることが出来る。
< 戦争はなぜ起こり、いかにすれば平和であり得るのか。>
人の目が曇り、心狂えば幾たびも戦争は繰り返され、人が人を知り、自ら覚し、心が平和であるならば永遠に世界も平和たり得る。人間らしさを追求すれば戦争は終わり、平和が訪れるはずと学びました。
終戦75年 特別展「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」。5年前の展示を再び配列し、より鮮明に、色濃く、幅広く、戦争が生み出すものを共有し、共に世界の平和を祈り、生きる覚悟が育めるよう、ご協力を仰ぎつつ 開催させていただきます。


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この少年が死んでしまった弟をつれて焼き 場にやってきたとき、私は初めて軍隊の影響がこんな幼い子供にまで及んでいることを知った。アメリカの少年はとてもこんなことはできないだろう。直立不動の姿勢で、何の感情も見せず、涙も流さなかった。そばに行ってなぐさめてやりたいと思ったが、それもできなかった。もし私がそうすれば、彼の苦痛と悲しみを 必死でこらえている力をくずしてしまうだろう。私はなす術もなく、立ちつくしていた。
[ジョー・オダネル]

【ジョー・オダネル Joe O’Donnell 】
1945年、若き米軍兵士 ジョー・オダネルは、ヒロシマ、 ナガサキなど焦土の日本を 記録しました。非公式に私用 カメラで撮った300枚のネガは帰国後、戦争の忌まわしい記憶と一緒にトランクに入れ、封印しました。 
「私はあの体験を語り伝え なければならない。」
43年の時を経てトランクを開けさせたのは、彼の平和への願いでした。1990年からアメリカで、ついで1992年から日本各地で彼の写真展は開催され、話題を集めましたが、95年に予定されていたワシントンのスミソニアン博物館での原爆写真展は、アメリカ国内の在郷軍人の圧力でキャンセルされ実現しませんでした。 
スミソニアンではついに展示されなかった真実の記 録「トランクの中の日本」。 ここにおさめられた写真から約40点を展示。同時に生きた仏教のミュージアムとして仏教が持つ、戦争と平和に関するアイデアを紹介します。 
終戦75年の節目に戦争と平和を考えていただければと思います。 

【終戦75年 特別展「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」】
2020年7月11日(土)ー2020年11月25日(水)
京都佛立ミュージアム
平日 10時ー16時
土日祝 10時ー17時
※入館締め切りは閉館30分前
※コロナ対策のため開館時間を平日・土日祝ともに11時ー15時に変更中
休館 月曜日(但し、月曜日が祝祭日および25日のときは開館。翌日代休)
入場無料

主催:京都佛立ミュージアム
協賛:本門佛立宗
後援:京都府、京都府教育委員会、京都市、京都市教育委員会、京都新聞、KBS京都、FMラジオαステーション
協力:小学館、KIMIKO O'DONNELL、大原哲夫編集室、林風舎、ジャヤワルダナ家、J.R.ジャヤワルダナセンター、一般財団法人100万人のクラシックライブ、一般社団法人 国連平和の鐘を守る会(順不同)

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