2021年5月24日月曜日

イスラエル



































イスラエルとハマスが停戦。


停戦も折り込み済みか。それまでにどれだけ練り上げた作戦を実施し、攻撃、殺戮するか。戦争とはそういうものだという。


ただただ、今回の停戦までに亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます。


イラク戦争が始まった2003年、開戦から半年後の11月、一人でイスラエルに行きました。


どうしても、宗教者、仏道修行者として、人類史上、延々と宗教による殺戮が繰り返されてきた中東の地を、自分の足で踏みしめ、自分の目で見たかった。


テルアビブの空港、タラップを降りる直前に呼び止められ、別室で厳しい質問を受けました。


ESPNABCと働いていたことまで持ち出し、その名刺も見せて、なんとか入国させてもらえた。


テルアビブからガリラヤ湖、エルサレム、東エルサレム、タクシーと徒歩でベツレヘムのあるパレスチナ自治区、ユダヤ人の入植地、分離する高い壁、ホロコースト記念館(ヤド・ヴァシェム)、ヘブライ大学などを巡りました。ガザまでは行けなかった。


すでにイスラエルは中東の強国であり、ユダヤ資本による圧倒的な経済力と軍事力を有し、数えきれないハイテク企業、世界有数の技術力を有しています。


日本との関係も密接で、様々な分野でイスラエルと協力関係を結んでいる企業、団体、議員、実業家の方々がおられます。


パレスチナ側にも反イスラエル、反シオニズムの国々がついていますが、特にガザはイスラエルとエジプトによる厳しい封鎖、遮断によって住民たちは巨大な収容所にも似た貧しく不自由な生活を強いられています。


私には分からない。


ヒトラー率いるナチスによって、あれほど理不尽な仕打ちを受けたユダヤの人びと。


高い壁や鉄条網で仕切られた「ゲットー」に押し込められ、陰湿な方法で虐げられ、愛する家族と引き離され、財産をも奪われ、情報を操作され、ついには無惨に命を奪われたユダヤの人びとが、同じではなくても、似たような構図で、似たようなことをパレスチナ人にしている。


「それとこれとは違う」と言いますが、お坊さんから見れば同じように見えます。


イスラエルに行き、高い壁の前に立ち、立ち退きを迫られ、入植地が次々と建設されてゆくのを見て、この矛盾を、悪循環を、どうしようもなく続く悪因縁を、作り続けてゆく人間という生き物の有り様を、残念に思います。


今回の大規模な紛争を見れば、イスラエル側は実に戦略的に戦争を進め、パレスチナはいつもながら感情的に、乱暴に、散発的に攻撃を重ねた。


イスラエル側は、情報を操作し、事前に掌握していた場所にハマスの幹部や戦闘員を誘導し、ハイテク兵器と圧倒的な火力を駆使して一網打尽にした。


イスラエルや米国はハマスをテロ組織に認定しているから徹底的な攻撃も当然のこととしているし、僕たちもそう思い込んでいる。


ただ、ハマスをISと同じように思うのは早計です。


そして、停戦。


言葉が見つかりません。


またイスラエルに行きたい。なにかさせてもらいたい。あの地に平和が訪れる日は来るのか。


神よりも人間を知ること。


本当に人生は短いですね。


させていただきたいご奉公、菩薩行は膨大にあるのに。


歴史、経済、宗教の、泥沼の中から、美しい白い蓮の花を咲かさなくては。

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