2009年1月1日木曜日

班長さんへの手紙

 ありがとうございます。

 平成二十一年となりました。何度もご披露して参りましたが、今年は、「立正安国論上奏七五〇年」の御正当の年であり、その大切な教えを現代に活かし、自分の生活、ご信心に活かすべき年であります。

 誰でも分かるとおり、世界的な経済危機が迫ってきています。もはや対岸の火事などと言っていられません。一両日中にご信者方の生活にも暗い陰を落とし、影響が出てきます。本当に恐ろしい事態で、心配でなりません。

 ご信心は、政治や医学で救えない人を救う使命があります。本来の仏教、本当の宗教はそうでなければなりません。平和の時の信心ではない。危機や乱世の時こそ、信心の真髄を理解し、本当の御利益を感得すべき時です。

 それを、このテキストを読むお役中だけでなく、妙深寺に御縁のある全ての人、皆さんに関係する全ての人に伝えていくのが本当のご奉公です。どうか、「政治でも救えない人を救うのが私たちなんだ」と思ってください。そして、実践していきましょう。

 何度お話をしても、ご信心に前向きにならない方もいます。人間とは難しいものですね。自分自身が、本当に人間の力ではどうしようもない事態に陥らなければ手を合わせる心もお参詣しようという気持ちにもなりにくい。

 しかし、それで仕方ないと思います。凡夫とはそういうものです。セーフティーネットという言葉がありますが、私たちのご奉公は、ある意味でこれに当たります。普段は興味も無く、うるさそうにしている人でも、危機に際して皆さんの言葉を思い返します。平生の態度に躊躇して、こちらからの声かけ、働きかけを怠っていたら、私たちの怠慢、懈怠となりますから、とにかく危機を目前に控えて、ご奉公を徹底してさせていただきましょう。

 本年は、「立正信行」をテーマにしています。「正しく信心を立てる」「ご信心を立て直す」を目標に、合い言葉にして、危機に備えたいと思っています。

 皆さんは想像ができますか?貧困に喘ぎ、衣食住に事欠く人たちが溢れている横浜を。すでに、愛知県の豊田市などでは職を失った人たちがスラム街のようなものを作り始めていると聞きますし、市の税収も九割減ということです。もう犯罪が増え始めたと聞きます。横浜でも同じような事態が訪れると思って、とにかく、立正安国論にあるように、飢饉や疫病、地震や戦争があると考えおいてもいいと思うのですが、まず確かに現証の御利益がいただけるように、私たちから「立正信行」を目指して、御法さまに「惜しまれる」人にならなければなりません。

 「娑婆の夢に迷ふべからず。菩提の道、怠るべからず。懈怠、不参、謗法といふは、みな迷ひに引かれ、悪縁の深き故也。今度は此の悪縁を思い切ること、娑婆信行中の第一の肝要也。これより外に大事なる御法門はなき也」

 御教歌に、「欲なくばこわい物なし信あれば 人を助くる楽しみもあり」

 欲に迷うことも、悪い縁に引かれることもなく、ご信心を第一にして、菩薩行とご奉公を楽しみにして生きていけば、百年に一度の経済危機が訪れようと怖いものはありません。必ず、御法さまのお見守りとお導きがいただけます。それを、一人でも多くの人に教えてあげていただきたい。功徳を積んでいない人にとっては、最悪の事態となります。全てを失う恐ろしさ、怖さ、情けなさに、生きる希望も失ってしまいます。どうか、こんな時代だからこそ、功徳の積み方を教え、信心に導いてあげていただきたい。まず、寒参詣、全力で取り組みましょう。

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