2009年1月29日木曜日

原正雄さんの思い

 昨夕、日本に帰国した。16時に成田に到着したが、17時半から新宿で打ち合わせがあり、成田からそのまま新宿に向かった。アメリカでのご弘通について、海外部長のご指導の下で国際弁護士の方に相談させていただき、非常に有意義な時間となった。
 今朝、朝は寒参詣。御法門の前に無事に帰国した御礼をご披露し、スリランカでのご奉公の概要についてお話させていただいた。とにかく、多くの方々が毎日ブログをチェックしてくださっているのだが、今回のスリランカご奉公では全く時間が無く更新できなかった。朝の8時からホテルを出て深夜まで外のご奉公。部屋に戻っても日本からのメールの返信に追われ、倒れるようにベッドへ。コロンボからGalleに移動した3日間はホテルの部屋にテレビもインターネットの環境もなかったから、更新が不可能だった。近況をお知らせすることができず、本当にご心配をお掛けして申し訳なかったとご挨拶させていただいた。しかし、とても内容の濃いご奉公となった。
 スリランカには自宅を開放したセンターがいくつか出来ている。「メイン・センター」と呼べる大きなホールのある場所もある。1つはウィージェセケラ氏のセンターで、土曜日の10時から御講を(Oko Meeting)を奉修させていただいた。9時にホテルまでアルンダティー姉が迎えに来てくれた。
 このセンターには妙深寺の元局長・原正雄氏が護持されていた大御本尊が奉安されている。この大御本尊は津波支援の際、被害地域での野外法要などで奉安される時のためにスリランカに奉迎させていただいた。その後、スリランカに渡航してみると、このセンターのメイン・ホールに奉安されていた。しかも、立派な大きな額に納められており、思いがけぬことに驚いてしまった。
 不思議なことに、こうした経緯の前後に、原さんとスリランカとの御縁が交錯している。津波支援の後、10名近くのスリランカ信徒が来日し、妙深寺にもお参詣くださった。その時、原正雄氏の奥さま・原しげ子さんがスリランカの方々と交流し、いたく感激してくださった。スリランカの方々のため、スリランカでの御弘通のために何かしたいと申し出てくださり、何と自宅を売却した資金の一部を御有志してくださったのだった。その亡きご主人の御本尊がスリランカのセンターに奉安されているとは。自宅の二階を改造して、さらに大きなホールを建設することになり、その経緯を説明して建設費として御有志をさせていただいた。
 昨年の10月、スリランカ開教10周年の際には、建設中のホールで御講を奉修させていただいた。原さんも涙ながらにお参詣され、知古のスリランカ信徒の方々と感激の再会、またホールの壁に掛けられたプレートを見て、そこに自分の名前が彫られているのをご覧になり、感激しておられた。原正雄さんのご信心、ご弘通の思いが、このように結びつけられたことに、心から感謝されていた。あぁ、このようにご信心、ご弘通の思いは受け継がれていくのだなぁ、亡くなっても、なおご奉公してくださる佛立信徒の真髄を見せていただいたような気がする。
 原正雄さんは、妙深寺初代ご住職・日博上人の右腕、永らく局長としてご奉公され、第二代ご住職・日爽上人の下でも献身的なご奉公を90才を越えられるまで続けられた方である。妙深寺が、横浜駅近くの岡野町から三ツ沢に移転する際にも、並々ならぬ尽力をされた方である。今でも、「この人は」と思えるような方が原さんに関係するお教化で、そのご奉公ぶりは今でも生きている。その原さんのご奉公がスリランカで生きている。妙不可思議なおはからい、御縁だと思う。
 御講は、まずお看経をいただいて、その後ウィージェセケラ氏のスピーチ、そして御法門。ウィージェセケラ氏は、私からのメールを読み上げてくださった。私は、今回のスケジュールの連絡が遅くなったために、ご信者方がお参詣できないのであれば御本尊さまへのご挨拶だけでもいいから伺いたいと書かせていただいた。その内容に感激してくださったそうで、「このセンターは、私たち家族にも帰属していない。まさに御本尊さまに帰属しており、HBSのご信者であれば、いついかなる時でもウェルカムであり、福岡御導師や長松御導師は事前に何の連絡をしなくても来ていただいて結構なのである。本来、HBSのセンターとはそのようなものである。私たちもお参詣とご奉公に今以上に励むべきである」とお話くださった。
 御講終了後、エカナヤケさんからお話を聞いた。私は、「ご家族みんな元気ですか?」と尋ねたのだが、彼は息子が学校の試験で大変な御利益をいただいたのだと話してくださった。
 スリランカの試験は、どの家族も子どもの将来を考えて日本以上に重要視している。それに賭けていると言っても過言ではない。その第1日目の試験で大変なトラブルがあり、家に帰ってみると妻も息子も暗い顔で、どうしようもない状態だったという。エカナヤケ氏は、「私たち家族には御本尊さまが付いてくださっているじゃないか。息子、お前にも御本尊さまが付いてくださっている。諦めたらダメだ」と言って、家族みんなでお看経させていただいたという。二日目、息子は御宝前にご挨拶して、お看経をいただいてから試験に行ったのだが、帰ってきた時の息子の顔は本当に明るかった。三日目も、英語の試験だったのだが試験がとても良く出来たと帰ってきてくれた。結果は、大成功。学校で1番になったのです。ちょうど、妻の50才の誕生日で、御本尊さまからいただいた何よりのプレゼントだったのです。私は確信しています。これは、間違いなくご信心でいただいた家族へのお計らいです、とお話ししてくださった。
 ありがたかった。この御講は土曜日、24日の午前。ご供養をいただいて、次のお席に向かった。

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