2013年4月11日木曜日

「らいとハウス」

陸前高田から横浜に戻っています。

朝は高田高校仮設住宅にお参りさせていただきました。佐々木さんや千田さんをはじめ、珈琲日和に集う仮設の皆さまが待っていてくださり、わざわさ食べ物を作って持ち寄ってきてくださいました。お参りの後、また美味しいコーヒーをご馳走になりました。ちょうど1ヶ月前にみんなで撮った記念写真を、壁に張ってくれていました。有難いです。

大船渡に移動して、佐藤さんと合流。何と佐藤さんは東京でお仕事を終えてから、深夜バスで大船渡まで来てくださいました。

今回の大船渡でのご奉公は、まさに不思議なお導きによって結ばれました。

東日本大震災の年の秋、私たちは陸前高田で七夕のメンバーと鍋パーティーをしました。その日、佐藤さんは妙深寺の記念大会のために朝焼けの一本松を撮影しようと、朝一番で高田に入ってくれていました。

その佐藤さんの目の前を、仏丸を付けたバスが通過し、横を見ると「千葉 唱題寺」と書いてありました。あまりの不思議さに感動しつつ唱題寺のバスを追いかけてゆくと、行けども行けどもバスは止まらず、引き返すことも出来なくなり、ついにようやくバスが停車した遠野の道の駅まで走ってしまいました。

バスから降りて来られた竹村堅裕師にご挨拶させていただいて、山田町に行くということをお聞きしたそうです。そして、お別れをして振り返ると、数年間連絡の途絶えていた秋葉さんという古い友人がいて、感動の再会をされました!

その彼女は「ふんばろう東日本支援プロジェクト」のエンタメ班(アーティストが集まっての支援活動グループ)のリーダーをしておられ、この再会をきっかけに、佐藤さんもプロジェクトに加わって支援活動をされるようになられました。

昨年は妙深寺の震災復興祈願の大会があり、佐藤さんはその中心人物でしたからなかなかプロジェクトに参加できなかったようです。しかし、不思議なタイミングが重なりに重なって、日本最大のボランティア組織「ふんばろう」が震災2年目を迎えて組織改編され、様々なプロジェクトが自立してゆく中で、「ふんばろうエンタメ」の拠点を秋葉リーダーと一緒に作ることになられたのでした。

その名も「みんなの創造空間プロジェクト」。大船渡の1階建ての物件をみんなの手で改装して素晴らしいスタジオになっています。どんな活用方法も出来る多目的スペースで、アーティストの方々のライブからヨガのレッスン、映画館にも演劇などのワークショップの会場にもなります。

大船渡に住む方々に名前を決めていただき、「来渡(らいと)ハウス(英語表記ではLight House)」となりました。大船渡の人たちはここに来ることを「来渡」と言うのですね。素晴らしい名前です。

「芸術を通して、学びと成長の空間を創造し、たくさんの夢と希望、笑いと元気が来渡する家、心の家を目指して、活動してゆきます。」

すてきな空間、「場」となるに違いありません。

先日、佐藤さんや秋葉リーダー、このプロジェクトに関わる方々が陸前高田の大塔婆へお参りされ、その際に妙深寺のことやご回向についてお話くださったそうです。そして、みなさんでお考えくださり、大船渡のこの場所でも、しっかりとご回向させていただこうということになり、今日の一座となりました。本当に、有難いことでした。

今日は、東日本大震災から2年と1ヶ月目。大船渡に住む今野さんとも初めてお会いできて、よかった。会って、お話をし始めて、すぐに涙を流されていたこと、忘れられません。「私たちにとって、11日は特別なんです。」と。

そして、みんなで御題目をお唱えいただくことが出来ました。簡単な妙講一座の冊子を持っていってくれていたので、無始已来から如来滅、南無久遠まで、声を重ねてお唱え出来たことは、何より有難いことでした。ご命日のご回向、当地のご回向にとって、これほど尊いことはありません。

法要終了後、棟上御本尊さまをご奉安させていただき、いつものようにお供水を敷地内に捧げさせていただきました。今後、毎月ボーズバーを開催するとか、もう来渡ハウスのチラシに書かれていました(汗)。どうなるんだろーなー(笑)。5月は10日だそうです。

みなさんでご供養を頂戴した後、今野さんとお別れして陸前高田に移動しました。14時46分、福田さんのお宅跡の大塔婆の前で、佐藤さん、秋葉リーダーもお参詣いただいて、毎月のご回向の一座を勤めさせていただきました。続けること。大切なこと。大切なことは、続けること。

帰りに、気仙沼まで福田さんの顔を見に行きました。午前中、僕たちの時間が合わず会えなかったから。激務が続いていて心配していたのですが、少し安心しました。よかった。次回は肩揉み券を渡します。疲れた方にはご住職が肩揉みします(笑)。

まだまだ、横浜は遠い。本堂でお助行が始まっているので、早く戻りたい。でも、安全運転で。

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