2013年8月22日木曜日

憤懣やるかたない

史上最大の放射能汚染水の流出。もう、こんなことは、誰もがうっすらと分かっていて、それでも「まぁ、大丈夫のようだから、大丈夫だろう」という曖昧で甘い考えのまま、こうしたタイミングで話が出る。

「トムとジェリー」の漫画のようなドタバタ劇の末に突きつけられる現実。

爆弾の導火線に火が付いていて、それを必死で消す。でも、また火が付く。また慌てて火を消して、また付いてしまう。どんどん導火線が短くなっていく。

イタチごっこのように、出続ける「汚染水」を地上のタンクに移してきたという。そして、今回、そのタンクから300トンの汚染水が排水溝を通って大量に港内に流れ出ていた。そして、これら恐ろしく高い濃度の放射能汚染水が外洋に流れ出ていたことも認めた。

レベル3だって。この意味は、分かるだろう。

また、この国で、原発事故が起きた。レベル4から「事故」ということになるらしいが、もはや、ずっと「事故」だったのだ。

子どもたちの甲状腺癌が増えたと言っても、「福島第一原子力発電所の事故との、直接の因果関係は考えにくい」とか「これからしっかりと調査しなければならない」とか。

愚かすぎる。

想像力がないのか。

権力者にとって、「調査する」は最も簡単な言い逃れだ。

「あまちゃん」が人気だという。

しかし、その海が、こんな風に汚されている。経済界の近視眼的な理屈、政治家の愚鈍さと愚昧さ、国民の無関心とエゴや欲の深さが、日本の海を蝕んでいる。

サバが大漁とか、秋刀魚の美味しい季節とか、あまちゃんが大人気とか、そんな言葉が空々しいよ。

世界は日本を笑ってる。

子どもたちの命が削られている。

福島県の漁業関係の方々の問題だけではなく、三陸や、その他すべての地域、豊かな海洋資源を食する日本人全員、目を覚ませ、行動を起こせ、と思う。

チェルノブイリ原発事故後の欧州のように、食品に放射能数値を書いて、提示してもらいたい。数値の高い食品は大人が買えばいい。子どもたちには、安全な食品を与えたい。しかし、そうした情報もない。どこにも、そうした、確かな対策は、為されていない。

もう、どうしようもないのかな。なんで、こんなに曖昧で、不透明なのか。

憤懣やるかたない。

21日、東電は平成23年5月から流出していたと仮定した場合、港湾内へ流れ出た汚染水に含まれるストロンチウム90は、推計で最大約10兆ベクレル、セシウム137は20兆ベクレルに上るとの試算を公表した。

ここに、何度も何度も書いてきたけれど、生物濃縮がずっと続いている。申し訳ないが、見えない悪魔・放射性物質が、魚たちを蝕み、僕たちの身体ですら濃縮されてゆく。

放射能除去装置はどこにあるんだ?イスカンダル?宇宙戦艦ヤマトの話をしても仕方ない。現在の科学では追いつかない。

国家を上げて、国民が福島や被災地の全ての痛みをシェアする覚悟をもって、この問題に臨まなければ打開策はない。

政治家も、いない。一体どこを向いているのか分からない。こんな問題を東電に押しつけて、経済界の御用聞きをして、米国の顔色をうかがいながら、結局は亡国の入り口に呆然としている人ばかりだ。

木を見て森を見ず。

森を見て木を見ず。

東電は解体して、国会事故調の黒川清氏などに、原発事故をはじめ日本国のエネルギー政策、電力供給体制そのものの変革についてリーダーシップを発揮していただけないものか。

東日本大震災があって、こんな恐ろしい原発事故を、未だに抱えているのに、今までと同じ社会保障制度なんて成立するはずがありません。根本的に、国民全体が一つになれるような変革が求められています。

そのためには、この原発事故の事実をすべて明らかにして、この理不尽な事故のために苦しんでおられるすべての方々のことを全て明らかにして、この「痛み」を基本にして、私たちの暮らしを立て直さなければ、間違いなく、この国は倒れると思います。

本当に、真実の通らない、権実雑乱で、真綿で首を絞められているような、蛇が尻尾を食べているような現状について、少し言いたくなり、書きました。


何をしたらいいのか。考えマス。



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