2009年8月5日水曜日

CITY OF GOD

 ブラジルにおもちゃを送るご奉公について、佛立新聞や大放光等でご紹介をいただいた。昨年、第2回 青少年の一座に於いて開始されたのが、ブラジルのスラム街(ファベーラ)へ「おもちゃ」をプレゼントするご奉公。私たちの家に眠っていて、そのままであれば捨てられてしまう「おもちゃ」を、最も苦しんでいるであろう方々に対して、結縁とご弘通のために送ろうじゃないか、と始まった。ご信心をさせていただいていると、世界中の人とつながり、実際に結ばれていく。
 2008年9月24日付けの「ブラジルのスラム街へ」と題した記事には、サンパウロの斉藤御導師やリオの吉川師、吉川ご夫妻をはじめ現地のご信者方のご協力をいただいて、確かに私たちのおもちゃがファベーラに届いたことを載せさせていただいた。小泉氏からのメールで詳しいご奉公の状況が分かる。
 また、9月28日付けの「スラム街でのご奉公(動画)」では、その様子が動画によって見ていただけるようにした。私たちの「おもちゃ」が、確かに、「届いたんだ」「届くんだ」と感じていただけると思う。
 しかし、ブラジルのスラム街「ファベーラ」の本当の「惨状」を見たり、知ったりすることは難しい。そのことを知れば、もっともっと、このご奉公の意義を分かっていただけると思う。私たちの「おもちゃ」は、一体どのような場所で、どのような子どもたちに届くというのであろうか。それを、少しでも感じていただきたい。
 ここに紹介する「CITY OF GOD」という映画や「CITY OF MEN」、ドキュメンタリー作品である「ファベーラの丘」は、このファベーラを舞台としたものだ。戦争が起きている訳でもないのに、これほどまでに子どもたちが荒んだ生活を余儀なくされていることを、思い知れば知るほど、この活動、このご奉公の尊さを感じることになる。私たちにブラジルから呼びかけていただいたことに、感謝する以外ない。
 暴力が支配し、警察ですらギャングのボスの許可をもらわないと入れないという話が、「真実」であると実感できる。こんな世界があるのか、と思い知る。サンパウロの警察は本当に協力的で、誠意に満ちた人たちだったとひろし君のレポートにはあるが、ここで描かれているのは頼るべき警察の腐敗。明るい日差しや観光都市のイメージとはかけ離れた、麻薬に汚染された若者たち。これらの作品群では、ブラジルの数あるファベーラの中で最も危険とされるリオ・デジャネイロの地域、特に「CITY OF GOD(神の都市、山)」を舞台にしている。ラテンの気風なのか、絶望的なのか明るいのか、分からなくなる。しかし、これも「実話」というから恐ろしい。
 私たちは、ブラジルのリオといえば、サンバやボサノバ、カーニバルが頭に浮かぶ。事実、私も昨年の3月にはコパカバーナのビーチを行き来していた。しかし、表側しか知らない。見えない。あの場所に、あの裏側に、ファベーラという貧困に満ちた隔絶された世界に生きる人々がいて、日常的に銃声が聞こえるような危険地帯がある。ビーチで泥棒に遭ってしまうとか、そういう話は多いが、その背景に、貧困と暴力、子供たちの多くがギャングにならざるを得ない環境、ギャングの多くが25歳くらいで命を落とす世界があるということを知らなければならない。
 ここに、御題目をお届けする意味。ここの、子どもたちと、ご縁を紡ぐために、「おもちゃ」をお送りすることの大切さ。その尊い菩薩行の一端を担わせていただけることのうれしさを、かみしめなければならないと思う。そこに、斉藤御導師やコレイア御導師が入ってご奉公されたことを見聞きして、その「信心」のすごさ、強さに、ただただ、敬服するばかり。
 この映画は、ブラジルの、ファベーラに、「おもちゃ」を送るご奉公にご協力いただける方に、ぜひ観てもらいたい。
 このブログが、いろいろ人と人、情報、点と点を結ぶ、ご縁を作る役割を担えているのであれば嬉しい。特に、こうして日本の国内、佛立寺院と佛立寺院、ご信者さんとご信者さん、世界中の人たちと結ばれていくことが嬉しい。実際に、イタリアやスリランカやブラジルや韓国、フランス、オーストラリア、イギリス、インド、アフリカ各国と、徐々に縁が結ばれてゆく。それぞれが、花開いていく。私が知るとか、行くとか、そういうことは関係ない。無論、「妙深寺」という枠も関係なく、ただただ、上行所伝の御題目によって結ばれてゆく尊いご縁が有難い。
 以前も書いたかも知れないが、アルビン・トフラー氏は著書「パワーシフト―21世紀へと変容する知識と富と暴力」で、人類が「暴力」→「富(金)」→「知識」と、その「パワー(力・効力)」が移行してきたと説いた。暴力、財力、権力を中心に回っていた世界は終わり、これからは知識や情報力を持つ者が「パワー」を持つ、と。20世紀から21世紀に切り替わるのは、ここだ、と。大きく頷ける点ばかりなのだが、それが全く通用しない世界を目の当たりにして、一瞬戸惑うのだ。圧倒的に、暴力が支配する世界。金がものを言う世界が、そこにある、と。
 下記に動画もアップしたのだが、「ファベーラの丘(Favela Rising)」というドキュメントは、最も凶悪なリオのヴィガリオ・ジェラウというファベーラで、絶望的な状況でも希望ある未来を子供たちに示そうと立ち上がった男を追ったドキュメンタリー。音楽やダンスを通じて、世界的に評価を受けようとしてきている。たくさんの人が、いま、立ち上がろうとしている。本当に、ありがたい。
 とにかく、一つ一つを取り上げながら、「今、あなたのために、自分ができることは何か」を考えてみて欲しい。


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いよいよ「今年最後」のご奉公が続き、「よいお年を」というご挨拶をさせていただくようになりました。 今年最後の教区御講を終えた日曜日の夕方、横浜ランドマークタワーのスタジオで白井貴子さんをゲストにお迎えしてラジオの収録を行いました。ずっと聴いていたいほど大切なお話が盛りだくさん。 ...