2010年7月31日土曜日

7月の締めくくり

 今日は7月の最終日。

 本当に、いろいろなことがあった、いろいろな現象を体験し、現証の御利益を感得した1ヶ月でした。

 7月の1日は、昔から「障礙憑き」と呼ばれてご奉公されてきた壮絶なお助行で幕が開けました。厳しくも現証あらたかな今月のご奉公の前途を予感しつつ、教務会も途中で切り上げて、それぞれのご奉公、お助行に走り出しました。

 その7月が今日で終わります。明日から、8月。

 障礙憑きと考えられるお助行も、壮絶な夜通しのお助行によって2日には加行者全員が体験したこともないような現証の御利益を見せていただきました。

 教務部全員、教務の家内、家族、青年会、弘通部の方々が夜を徹したお助行に参加してくださっていたのですから、このご奉公そのものが尊い御法さまからの課題、御利益だったのだと思います。全員が、御法さまのすごさ、御題目の御力、お助行の大切さを感得したと思います。

とはいえ、「悪魔ー、天使ー、魔王ー!」と叫び、「ナガマツー!!」と私の名を叫んで暴れ回る、叫び回る、飛び回る姿を思い返すと、御利益をいただけるという確信も、お助行中はなかったように思います。ただただ、必死でした。翌日の夕方、隣で泣きながら御礼を言う本人を見て、私も泣きました。
 佛立信心は、凡慮の及ばざる現証の御利益が現れる、だからこそ、「できるか」「できないか」ではなく、「するか」「しないか」になると思うのです。私ですら、お助行中は「大丈夫だろうか」という迷いも生まれます。だからこそ、「お縋りするしかない」と素直に御法さまの前で初心に返れるのです。
 開導会の彩雲。これは、永遠に忘れられません。もちろん、気象現象としては珍しくないのかもしれませんが、この日、このタイミングというのは間違いなく御法さまからのサインです。疑義を抱く余地もない。小賢しい人は人間の大切な感性を失っているから分からない。
 御法さまからのご褒美。真っ直ぐな、まごころに、天は反応してくださいます。余念なく、一心にご祈願やご奉公をされている方だけが見る特別な世界があります。特別な現象(現証の御利益)があります。まさに、この彩雲もまた、妙深寺の全員が見せていただき、感得することができました。有難いことです。

 だから、どうしたらいいでしょう。私は、この彩雲は、私たちのご信心を喚起してくださるものだと思います。如何なる困難にも負けてはならぬ、くじけるな、というサインだと信じています。喜んでいるばかりではダメで、これで浮かれているのは佛立信心ではないはず。

 お祖師さまの「瑞相御書」という御妙判には、

「夫天変は衆人をおどろかし、地夭は諸人を動す。佛、法華経を説かんとし給う時、五瑞六瑞を現じ給ふ。(乃至)人の悦多多なれば天に吉瑞を現し、地に帝釈の動あり。人の悪心盛なれば天に凶変、地に凶夭出来す。瞋恚の大小に随て天変の大小あり。」
とあり、そのようにお諭しになられた上で、やはり、末法は善き瑞相よりも悪い心による悪しき瑞相が多く、それを察知して菩薩行に精進するのが真のご奉公であるとお示しになられています。
 御法さまは、近くにいてくださる。それを、あらためて、はっきりと教えていただいた、気づかせていただいた。お助行や、開導会のご奉公、こうした彩雲によって。
 しかし、だからこそ、その果報に甘えるのではなく、自分の罪障や悪い業、末法悪世のご弘通に立ち向かわなければなりません。それが、この「サイン」の意味、ここが「正念場」、ここからが「本番」と教えていただいているように思います。
 「売り家と唐様で書く三代目」という川柳。言い得て妙です。
 財を築いた初代のご苦労も知らないで、勝手なことばかりしている三代目。財産を全て食いつぶして家を売りに出す。その札の文字は当時流行の唐様で書いてある、と。これは、本当にやらなければならないことをせず、それを疎かにして遊芸に溺れていた、余計なことばかり考えて、していた、ということを皮肉っぽく詠んでいます。
 私も、この川柳を胸に銘記してご奉公に当たらなければなりません。子どもたちにも、このことだけを教えておきたいです。雑学ではなく要学。実験と体験のご信心が佛立であること。頭で考え、机上の空論で悦に入らず、ご奉公の実践を重ねてゆくこと。
 とにかく、こうした7月の現証を忘れずに、佛立信心を初心の原点に立ち返らせて、自己流を廃して、決して慢心しないように、自屈、上慢、二乗心に注意して、負けん気と根気と慈悲で、精進してゆくように。
 夏期参詣は、8月13日まで続きます。明日、8月1日は、「虹の日」です。妙深寺は、「虹」「虹」と言ってきたから「彩雲」が出たのかな(笑)?一人でも多くお参詣ください。

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