2010年10月17日日曜日

反日

日本国内でも、最近の報道は断片的で恣意的ですらあるから、一人ひとりが、世の中の出来事を、自分の頭で、しっかりと考えなければならないと思う。
ノルウェーは覚悟ある国だ。ノーベル平和賞を劉暁波氏に決定したとは。世界が中国マネーとマーケットに配慮して政治的なコメントを控える中、極めて強い批判的メッセージを発した。自国の経済的な損失よりも、平和や生命の尊厳ためのメッセージを優先した。国家や国民の徳が高いと思う。果たして日本ならどうか。経済界やマスコミ、つまりは一般民衆から、喧々囂々の怒声が浴びせられそうだ。情けないことだと思う。
それにしても、中国はいよいよ軍閥の制御が利かなくなっている。取り引きするには覚悟がいる。反日感情を露わにした大規模なデモが報道されているが、あれも中国政府の戦略の一つでしかない。劉氏をはじめとする民主活動家を弾圧し、テレビやインターネットを国家がいとも簡単に閲覧不可にする国で発生するデモだ。政府の出した紳士的とも受け取れる談話も「マッチ&ポンプ」のような話。
人間の可能性や生命の尊さに、国も人種も、北も南も、西も東も関係ない。恐ろしいのは、政府がメディアを利用して、民衆の感情を政治的な意図の下で利用した結果だ。
人類が経験してきたのは、大衆は暴走し、過激思想を持つ政治家が台頭し、凄惨な戦争が始まるということ。ルワンダ紛争のツチ族とフツ族のような憎悪の連鎖も想定して、これを避けなければならないと思う。
いずれにしても、人々が、しっかりと、いま起きていることを見据えておかなければならないと思う。すでに、中国の意図は明確。自国の利益を追求するだろう。横浜で開催されるAPECで、日本は普遍的な義をもって自国の立場を表明し、各国の賛同を得て欲しいものだ。
平和を希求することは、勇気や覚悟が必要なのだと学びたい。

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