「御仏の尊い教えを護持するお寺も、世代交代や時代の変化の中では様々な変革や改良を迫られるものであります。
伝える者も受け継ぐ者も、いつも新鮮な気持ちでご信心の尊さを感得し、喜びと感動に満ちた「妙深寺」であり続けようと「報恩改良年」のご奉公目標を掲げました。
凡夫ですから、先師先聖の恩恵に甘え、時に怠り、時に慢心する自分を恐れなければなりません。
1909年生まれ、今年92才を迎えるピーター・F・ドラッカー氏は、今なお社会の第一線で活躍し、ビジネス界で最も影響力のある思想家として知られています。社会の劇的な変化を目の当たりにし、フロイトやヒトラーを直に知る彼の著作や講演は、特別な説得力に溢れています。
ドラッカー氏は、ジェファーソン晩年の言葉「それぞれの世代がそれぞれの革命を必要とする」やゲーテの「存在の意味は無くなり、恵みは苦しみとなる」を引用して、健全な社会や集団の在り方について警鐘や提言を続けています。
社会を見続けてきた彼の結論は、組織や制度は腐敗や停滞を繰り返す。しかし、「革命」は何の解決にもならず、「革新(イノベーション)」という考え方と「起業家精神」が組織や制度に生命を与える重要な要素である、と説いています。
「革新(イノベーション)」とは、「改めて新しくすること」であり、「起業家精神」とは創業者と同じような責任感や目標、行動を忘れないことだと云います。
社会や企業がそうであるように、ご信心に当てて考えてみても、同じことを感じるのであります。
開導聖人は晩年まで改良に改良を重ねられ、ご信心ご奉公の形骸化や組織の腐敗を嫌われました。また、変化する時代を常に先取りされて、ご弘通の為に時代の最先端を歩まれました。
ご信心に照らして「起業家精神」を考える時、当山草創期のご信者方のご奉公を思わずにはいられません。
そのご奉公ぶりは一人一人の生活に肉薄した菩薩行であり、共に痛みを分かち合い、御題目を唱え、その肉薄したご奉公の中から、ご信心の尊さを心から感得するご信者が多く生まれたのであります。
「強いご信心の方々がお年を召してしまった」と嘆くのではなく、強いご信心の方々を生み出すであろう肉薄したご奉公の少なさを反省すべきであると感得します。
組織が出来、行事が生まれたのもその時代時代の、、、。
の草創期に、、、。」
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