2011年10月17日月曜日

倒すしかないか

ここまで、的確に動けず、緊急時に妥当かつ最善の対応もできず、後手に回った後で言い訳のようなことを続けるならば、存在意義がないだろう。

突き詰めれば、討幕とは江戸幕府という官僚機構の解体に他ならない。当時、旗本は巨大な官僚組織だった。これが腐敗し、硬直し、全く危機に対応できなくなった。個々に優秀な人もいたが、機能不全の改革が起こり得ない閉じた世界になっていた。

東日本大震災の後、放射能汚染や被害が懸念されたが、全くその情報は被災地に届かなかった。いま、ようやくその経緯が解析されている。インタビューに官僚が応えていたが、セクショナリズムに終始した内容に呆れた。インタビューを見る限り、彼らには国家も国民もない。

政治家を責めるだけでは駄目だ。問題の本質は巨大な官僚機構なのだから。いい人はいても、もはや組織的な自浄作用はないのではないか。

2011年3月12日土曜日、「ノーメンクラトゥーラ」という記事をブログに載せた。大震災の翌日だった。

「ゴルバチョフの『ゴルバチョフ回想録』にはチェルノブイリ事故当時の政府の対応の詳細が出ている。国家元首自ら語った対応の不備。ノーメンクラトゥーラという人事制度のために組織が腐敗。正しい情報が伝わらず、結果国民が悲劇的な苦悩を味わった。日本はそうでないことも、祈りたい。」

残念ながら、日本は、チェルノブイリより「ましな」対応ができなかった。この、西側の、先進国、と言われる国で。

彼ら全員が、恐ろしい、拭えない、大きな「罪障」を積んだ。間違いない。今さら、罪ほろぼしのために予算をつけて、自己満足のボランティアをしても、何と身勝手だろう。

「いざ」という時のために、様々な保障を受ける人々。それが「いざ」に動かなくなる。まるで、幕末の腐敗した官僚機構だ。

倒すしかないか、と思ってしまう。「政権交代」などでは無理ではないか。問題の本質にリーチできていない。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

佛立サラブレットの血筋引き継ぐ長松御導師。この様な過激なメッセージを貴方様から聞きたくはありませんでした。最近貴方様のコメントには、そこら辺の過激な人たちと同様に感じます。貴方様自身が発せられたメッセージ又はコメントの影響力をもう少しお考え頂きます様御願いしたいものです。

Seijun Nagamatsu さんのコメント...

ありがとうございます。

まず、私はサラブレッドではありませんし、そうした意識はありません。まだまだ、若い頃の血気盛んな、馬鹿な自分がいます。

過激なメッセージでしょうか。みなさんは、どのように感じておられるのでしょう。僕は、むしろ震災の直後よりも静かにコメントしているつもりです。それが、喉元過ぎれば熱さを忘れる、ではいけないと思いつつ、事態はもっと深刻さを増していると感じています。

新横浜駅近くでもストロンチウムが検出され、緊張感が高まります。一方で、瑕疵を認めながら、緊張感も無くインタビューに応える人たちを見ると情けなくて憤りを感じます。

しかし、ご指摘、ありがとうございました。本当に、哀しいことです。「正常性バイアス」が津波被害を広げたということが言われていますが、放射能汚染についても同じでないことを願うばかりです。

匿名 さんのコメント...

ありがとうございます。
もちろん、あの大震災を忘れる事は、ありませんが、正直なところ少しずつ薄れていってるように思います。まして西日本の人間は・・・
こうして御住職が発信してくださって、あらためて考えることが出来ました。大切なことです。本当にありがとうございます。東北の景色は少しずつ綺麗になっていたり、暮らされてる皆さんも前向きに生きておられるけれど、肝心なところは何も片付いてない、終わっていないんですものね。今一度、気を引き締めさせていただきました。ありがとうございます。

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