2012年2月29日水曜日

「どうぞ、どうぞ」

ラージギルに向かっています。子どもたちの学校が終わる15時から村の中でセッションを行います。

ブッダガヤとラージギルを結ぶT字路があり、ここが大変混みます。一昨日はすぐに通れたのですが、今日は全く動きませんでした。鳴り響くクラクションは当たり前のBGMですが、みんなイライラしているようです。

ギリギリのつば競り合いのように、我れ先にと車の鼻先を入れてゆきます。大型のバスからトラクター、車もバイクも、オートリキシャも人力車も、牛だって、この大渋滞の中で鼻先を入れ合っています。

実は、この前とてもスムーズに通れたのは、白髪のおじいさんがトラクターを運転していて、モタモタしていたので、私たちの対向車線側が一気になだれ込み、その流れが全く止まらなくなって、トラクターのおじいさんが立ち往生していたからでした(長い文章、ごめんなさい)。

かわいそうなおじいさん。後ろの大渋滞を引き起こし、いつにも増したクラクションの嵐をみんなから受けていました。

このインド。ちょっとでも「どうぞ、どうぞ」的な動きをしようものならば、そのまま前に進めなくなり、逆に大渋滞を引き起こしてしまうようで困ったものです。でも、ここにも、佛立仏教のエッセンスがあると思うのです。

私たちは、ただ単に「どうぞ、どうぞ」が良いことであるとは教えていただいていません。ただの「いい人」は「どうでもいい人」になってしまうことを知っています。迎合するわけでも、厭世的になるわけでも、善人ぶるわけでも、ただ傍若無人に生きていいと教えているわけでもありません。ここは、とっても大切なことだと思います。

前回も書いたように、菩薩行を深く捉えておかなければ、圧倒的な末法の嵐や人間の三毒の渦の中では翻弄されて終わってしまうことがあるから。正しく教えを理解し、実践し、厳しい社会の中で佛立菩薩として生きてゆかなければならないのですね。簡単なことではありませんが、このインドの大渋滞、「どうぞ、どうぞ」が通用しないほどの厳しい状況の中で、感じることがたくさんあります。

でも、救われるのは、クラクションを鳴らしながらも、そんなトラクターのおじいさんに対して本気で怒ってる様子ではなかった。「まったくぅ」という感じで諦めているような。そこが日本と違うかな。日本の方がすぐ「切れる」かも。アブナイ切れ方が多いのは、日本かも知れませんし。

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