「太陽は南極と北極が逆向きの磁場を持つ巨大な棒磁石のような構造で、約11年の活動周期に合わせてN極とS極がほぼ同時に反転することが分かっているが、国立天文台と理化学研究所などの国際研究チームは19日、衛星「ひので」による観測で、北極だけがS極からN極に反転し、南北両極が同じN極になりつつあることを確認したと発表した。
同様の現象は、17世紀後半から18世紀初めに長期間太陽活動が低下し、寒冷化をもたらしたとされる「マウンダー極小期」でも起きたと考えられている。近年、黒点数の減少や11年の周期が延びるなどの異変が続いており、国立天文台の常田佐久教授は「この状態が次の周期も続くと、マウンダー極小期のような時期に入ったと考えられる」と述べた。
理研の塩田大幸研究員らは、ひのでの高性能望遠鏡で太陽両極の磁場を詳細に継続観測。昨年10月、北極だけが従来のS極からN極に変わりつつあるのを確認した。一方、南極は今年3月時点でN極のままで、5月中にも両方がN極になる見込みとなった。
極域の磁場は、太陽活動の指標となる黒点の生成に密接に関連しており、こうした変化が近年の異変に影響している可能性もあるという。」
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