2014年5月22日木曜日

忘れません

もう少しで、インドから離れます。

再出発。

一年365日ある中で、お釈迦さまのお生まれになった満月の夜。

月、太陽、霊鷲山。

天を動かすのは大変なことですが、私たちは導かれるように、ここに、この日に、来させていただき、素晴らしい夕陽と夜明けを拝見することが出来ました。

そして、果てしなく続くインドの荒野と同じように、その前途は尋常ではないほど険しい道になるかもしれませんが、ラージギルのバライニ村にご弘通の拠点を開くことが出来ました。

この厳しい旅へ、命がけで参加くださった小林御導師にご唱導いただいてスタートできたことは、かけがえのない歴史となりたした。そのお徳をいただき、想いと誓いを新たにして、ご奉公させていただきます。

ご奉公する私たちにとって絶対のご因縁があり、小林御導師でなくてはならなかったことが、次々と、現証として明らかになり、まさに御法さまと御導師には恐れ入るばかりでした。

決して、忘れません。

3年前より道が悪く、ハードスケジュールで体調を崩された方もありました。体力有り余るブラジルの方々ですらそうでしたから、厳しい旅、苦しい旅でした。

しかし、だからこそ、本当に、仏陀の足跡を確かにたどり、その全ての場所では御題目をお唱えさせていただき、それぞれの信心の、本当の懺悔、改良、増進になったのだと信じます。

そして、それを、本物にしたいから、各国に帰る皆さまに、お伝えしたいと思います。

苦しい旅と書きましたが、私が思うに、信心だけになれたこの期間ほど、幸せはありません。

それぞれの国に帰れば、いろいろなことがあります。いろいろなご奉公があります。

もっと面倒な、もっと複雑な、もっと政治的で、もっと微妙な、いろいろなことがあります。

しかし、それを、純粋に、ご信心を立てて、シンプルに、まっすぐに、乗り越えてゆかなければなりません。

欲もあり、怒りも愚かさも、自屈、上慢、二乗心、謗法と罪障の深い私たちだから、それはとっても大変で、きっと、この旅の方がずっと楽なのだと思います。

月の満ち欠けも、潮の満ち干きも、朝陽も夕陽も、私たちにはどうしようもありませんが、ご信心をさせていただいていて、罪障消滅を願い、ご弘通の想いをまっすぐに持っていたなら、それらとすら確実に調和することを、教えていただきました。

15日と16日にもかきましたが、興奮しすぎていて、美しすぎて、不思議すぎて、分かりにくいのですが、本当に、霊鷲山、ラージギルの開園式、感激しました。忘れないように、いや、決して忘れずに、ご奉公させていただかなければなりません。

法華経・如来神力品に曰く。

〝日月の光明の能く諸の幽冥を除くが如く、斯の人世間に行じて能く衆生の闇を滅し、無量の菩薩をして畢竟して一乗に住せしめん。

是の故に智あらん者、此の功徳の利を聞いて、我が滅度の後に於て斯の経を受持すべし。

是の人仏道に於て、決定して疑あることなし。〟

本当に、こうならなければ、ならないのだと思いました。

そこが、最大の御利益へ至る唯一の道です。

最大の現証の御利益とは、此処にあって、耐え難い苦悩、絶え間ない欲望、居たたまれない失望、怒りや憎しみから離れることです。

なかなか、いただけない御利益ですが、だからこそ最大の御利益というのですね。

ご信心に決定して疑いなく、自分も三毒強盛の凡夫と観念して、謙虚に、人びとの心の闇を照らそうと精進する中に、最大の御利益があると思います。

悟りを開く宗旨ではないのに、勝手に開けてゆく。これが、法華経本門の、末法の仏教、仏道修行です。

御教歌
〝さとれるを さとらずといひ さとらざる
人をさとるといふ宗旨なり〟

デリーに着きました。

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