長松山 光薫寺 開導会 併 住職継承式 お祝いの言葉
夜空には天の川が美しく輝いて見えるこの佳き日に、末法悪世に光り薫る佛立寺院・光薫寺の法董継承の盛儀が滞りなく厳修されましたことは、誠に祝着至極に存じます。
大本寺・不軽寺ご高職・村上御導師さまをはじめ、錚々たる皆さまの前に於いて大変僭越で御座いますが、ご下命いただきましたので、畏れながら一言お祝いの言葉を申し述べさせていただきます。
ご存じのとおり、光薫寺さまは全国のご信者方にとって、大変お世話になってきた寺院であります。光薫寺さまが今日まで発行してきてくださった「まごころ」は、ご信心をお伝えする際に最も有効な冊子であり、私の寺坊にも、全国にも、この「まごころ」を毎月心待ちにしているご信者さまが多くおりました。
つまり、小林日元上人率いる光薫寺さまは、一つのお寺の枠を超えて、遠く離れた私たちにとって、大変なご奉公をしてきてくださったお寺であり、大変身近なお寺、全国的な一大寺院でありました。
宗内の全国的なご奉公に限らず、社会的にも教育、医療、介護と、幅広くご弘通ご奉公を展開されてきた光薫寺さまだからこそ、その住職位を継承される重責は、並大抵の御事ではないと存じます。
しかし、今日、ここに偉大な小林日元御導師から法董を継承された小林信翠師であれば、この光薫寺のこれまでの事績、功績を、さらに大きく飛躍なさるに違いない、宗門にとっても、全国の寺院の教講にとっても、これまでと変わらず、これまで以上に、大きな力をくださるに違いないと確信しております。
文武両道という言葉がありますが、まさに信翠師は様々な分野に挑戦し、実績を重ねてきた逸材です。
信翠師の結婚式の時にもお話をさせていただいたのですが、信翠師とはじめてお会いしたのはつくば大学から横浜国立大学の大学院に入学され、寺坊である妙深寺に寄宿して通われることになった頃のことであります。
私は中学生の頃から不良で、高校も補欠入学、大学も「帝京大学株式会社」と揶揄されていた大学で(笑)、同じ息子でもこんなに違うのか、こんなに賢い息子がいるのかと、半ば嫉妬、半ば驚き、羨望の眼差しで迎え入れたのであります。
ハンサムで、勉強もできて、スポーツも出来て。しかし、一方で、理屈っぽくて、頑固で、強情という面もあります(笑)。
妙深寺におられた時代は本気でぶつかり合うこともあり、いい思い出です。建国寺さまで修行され、光薫寺でご奉公されるようになって、見事に、器の大きい、幅の広い、芯の強い佛立教務として開花してゆくのを見ていて、本当に有難く思っています。
彼は情熱的な弘通家であり、専門性の高い、学術的な研究者でもあり、友人の多い社交家でもあります。私は、このバランスがとても大切だと思います。
彼を支えよう、守ろう、伸ばそうと思ってくれる人々は、寺内だけではなく、宗内だけではなく、社会にもたくさんいることでしょう。これは本当に素晴らしいことです。
信翠師は、こうした力を集約しながら、一人ひとりに、現証の御利益を顕す佛立教務、光薫寺の住職として、先頭に立ってご奉公くださるに違いありません。
信翠師と一緒にさせていただいた忘れられないご奉公があります。
長野のご奉公。狐坂、蛇塚。応接間。お助行。共に目の当たりにした現証。
現証の御利益の尊いことを、実感、体感するご奉公でした。こうした佛立の真骨頂を忘れず、いつもここに立ち返り、さらに情熱を燃やして、共々にご弘通ご奉公に当たれるのが、大変有難く思うのです。
私は30才で住職の大任をお預かりすることになり、今年で丸15年となりました。最初の頃は記憶も御座いません。がむしゃら、必死で、やって参りました。
振り返ると、とても一人ではできないご奉公、周囲の協力なくしては成就しないご奉公が住職というお役であり、同時に大変に孤独なご奉公が住職という立場であることを痛感しております。
小林御導師、石川御導師には、門末も異なり、血縁でもない中、幼い頃から何かと気にかけてくださり、まさに法縁の中でご教導いただいて参りました。
今日、こうして私がご奉公させていただけているのは、御導師方のおかげです。常に、弘通家としての教務道を教えてくださいました。
そして、信翠師と兄弟のようなご縁を結んでくださったことに、心から感謝しております。
住職となりますと、見えることもありますが、見えなくなることも多々あります。だからこそご本意に叶うためには、法友の存在が大事だと感じます。
慣れ合いではなく、これからも、お互いにご弘通勝負、ご信心を中心に据えて、お折伏し合い、励まし合い、ご奉公させていただきたいと存じます。
本当に、本日はおめでとうございます。
光薫寺さま、並びに門末寺院、別院、教会の、益々のご弘通発展を祈念いたしまして、簡単では御座いますが、お祝いの言葉とさせていただきます。
平成27年7月5日
長松清潤拝、
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