2018年10月6日土曜日

京都佛立ミュージアム「不都合な真実展」に向けて














アメリカの第45代副大統領。


2000年には大統領選に立候補し、ジョージ・W・ブッシュと戦い、2007年には人為的気候変動(地球温暖化)についての問題点を広く知らしめ、気候変動防止に向けた取り組みを喚起した功績からノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏側からお返事をいただきました。


激甚災害が立て続けに起こる中、アル・ゴア元副大統領の著書『不都合な真実』をベースにした企画展を、京都佛立ミュージアムで開催させていただきたいとお願いをしていたのです。


第1作、第2作と日本で出版を進めてきた方々、特に『不都合な真実 ~放置された地球~』を出版された「実業之日本社」さまにご協力をいただき、アメリカやイギリスのオフィスやエージェントへリクエストをあげていました。


10月4日の午後、返事をいただき、京都佛立ミュージアムで「不都合な真実展」を開催させていただけることとなりました。


併催として「仏教と環境展(仮)」を開催させていただきたいと思っております。


本当に、有難いです!


9月末に開催された国連年次総会でグテーレス事務総長は世界中の指導者に警告を発しました。


「気候変動問題は節目を迎えている。今後2年間で方向転換がなければ、地球温暖化のスピードは人類の歩む速度を超え、コントロールを失うリスクにさらされている」「より緊張した態度でより大胆な行動を取って、気候変動を食い止めるように」


今後2年間。。。。。


あと2年しかないなんて。。。。。


2年後といえば2020年、東京五輪の開催される年です。


「それまでに何とかしないと何ともならなくなる」と国連のトップが発言しているのです。


2020年。地球温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」が開始される予定でした。しかし、米国のトランプ大統領はこれを否定し、拒否し、離脱。米国が抜けたことで気候変動対策は一気に減速し、世界政治の優先順位から後退しました。


「取り返しがつかなくなるぞ!」といいながら、世界政治は全く逆方向に進もうとしている。


本当に、子どもたちに申し訳ない。ダメな大人たち。


実際、災害を待望する政治や企業があるといいます。株取引の世界では「復興銘柄」と呼ばれる企業が災害のたびに株価を上げています。自然災害によって苦しむ人が続出する世の中で「これで景気がよくなる!」と喜々としているなんてあまりにも恐ろしいです。


アメリカではネットで拡散された「陰謀論」が話題を集めています。


QAnonQアノン)」と呼ばれる謎の人物が「実は」「本当は」などと仰々しくまことしやかに「噂話」を拡散し、それが中間選挙を左右するほど力を持つようになってきたというのです。


「フェイク」の「フェイク」に左右され、二分化、分断されてゆく社会、組織。


「陰謀論」を信じているのはトランプ支持者に多いということですが、その内容は「根拠の確認できない話」や「自分たち以外の人間に対する敵意」、さらに「神がかり的な物言い」で、たとえば「レーガン以降の大統領はすべて犯罪者」「戦争や貧困などの厄災はすべて歴代大統領やハリウッドセレブ、CIAや大企業のせいである」というものだそうです。


「噂を信じちゃいけないよ」という古い曲のフレーズが頭に浮かびます。


しかし、現代社会とは病的に思い込みが広がる世界なのです。


分断され、二極化し、極端化してゆく社会。この世界的な潮流の中、ある人々は一方的な見解の中で妄想を膨らませ、物事を決めつけ、思い込みの中で勝手に怒りを増幅させて敵意を募られています。


本当に、恐ろしい潮の流れ。自分も引き込まれそうな、強い流れ。


8月末、このトランプ支持の陰謀論者「Q」にハッカー集団Anonymous(アノニマス)が宣戦布告し、まずは陰謀論を広げているQの正体を突き止めるのだそうです。


こういう動きも現代的な解決策、対策の一つになるのでしょうね。


いずれにしても「地球温暖化もウソだ!」「今日も涼しいじゃないか!」とトランプ大統領が堂々と発言しているため、「気候変動」についても正確な知識が得られなくなっています。


さすがノーベル平和賞を贈られたアル・ゴア氏の著書は様々なデータ、グラフを駆使して、地球の状態を知らせ、私たちに迫る危機について述べています。『不都合な真実 ~放置された地球~』では具体的な行動の起こし方まで書かれています。


私がこの著書に出会ったのはもう10年以上も前ですが、激甚災害が立て続けに日本を襲い、多くの方々が避難生活を余儀なくされ、あるいは災害によって貴重な財産を失う中、この著書を元にした企画展を開催したいと思い立ちました。


今回、なんとかアル・ゴア氏サイドにたどり着き、京都佛立ミュージアムでの開催を許可してくださったことは、またまたあり得ないほど奇跡的なことで、学芸員室の中で飛び上がって喜び合いました。


すでに具体的な準備に突入いたしました。


仏教徒として環境問題をどのように捉えたらいいのか、私たちはどのような行動を起こすべきなのか、考える企画展を併催させていただきたいと考えております。


どうか引き続きよろしくお願い申し上げます。


今日は横浜で妙深寺の教区御講です。


南無妙法蓮華経ー。

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