IPCC第49回総会京都市開催記念シンポジウム
脱炭素社会の実現に向けて~世界の動向と京都の挑戦~
アメリカ合衆国 第45代副大統領 アル・ゴア ビデオ・メッセージ
こんにちは。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第49回総会開催中の非常に重要な時期に、このような声明を出す機会を与えていただいた京都佛立ミュージアムに感謝いたします。
IPCCは現在、包括的な第6次評価を実施しています。当然、今回も、この評価によって、気候危機の規模やそれを解決する喫緊の必要性に関して、人類の知識と理解が高まることでしょう。
今回のIPCC総会は、京都市と世界的な気候危機を解決するために努力してきた人類の歴史的な新しい1ページとなります。1997年に京都議定書が採択されたのも、もちろんこの京都市であり、それは気候変動に関する国際連合枠組条約を実施するための最初のステップとなりました。
京都議定書は、国際的な合意を実現するための共闘に新たな基準を確立し、後のパリ協定の礎となりました。パリ協定の革新的要素の1つは、各国が最善の努力を提示し、段階的な活動の強化を求めたことです。各国は、気候危機対策において、革新的かつ野心的であり続けなければなりません。
もちろん、日本も例外ではありません。東アジアの他の島国同様、日本は気候危機から多くの影響を受けています。まさに昨年の夏、7月23日に、日本では観測史上最も高い41.1℃を記録しました。熱波によって少なくとも77人が亡くなり、何千人もの人々が入院しました。言うまでもなく、海面は上昇し、台風はより強力で破壊的となり、高潮時の潮位は上昇し、豪雨や洪水が増え、熱波による損害が増加し、蚊やダニ、汚染水による感染症は変化してきています。これらは影響のほんの数例にすぎませんが、ただちに行動しなければさらに悪化することが予測されています。
日本は気候危機の解決を促進する世界的なリーダーとなり得ます。日本の人々はそのことを知っています。最近行われた日本の世論調査では、世界的な懸念事項のトップ2の1つに気候危機が挙げられていました。言うまでもなく、日本には太陽光発電の大きな可能性があり、風力発電に関しては多くが未開拓の市場で企業はそれを利用し始めたばかりです。ですから、今回のシンポジウムが、日本社会を脱炭素化するための重要な取り組みに焦点を当てていることを、私は非常にうれしく思っています。
官民の賢明なリーダー方は、経済成長がもはや多くの化石燃料を燃やすことに依存していないと認識されているでしょう。むしろ、真の持続可能な成長は、包括的な「サステナビリティ革命」に根差したものなのです。それは、クリーンエネルギーの仕事と投資の新しいうねりとなり、将来にわたってクリーンエネルギー経済に力を与え続けるものです。
今や、ほぼ世界全体において、太陽光や風力による電力は、化石燃料を燃やして作る電力よりもかなり安くなっています。それが理由の1つでもありますが、次のことを付け加えて差し支えなければご提案させてください。私は日本が他の国々で小型石炭火力発電所の新規建設に補助金を出すという、非常に破壊的な政策を見直すべき時が来たと思っています。このような慣行が続けられている理由をいくつか知っていますが、明らかに気候は地球共有で、日本への脅威は世界各地の地球温暖化汚染の増加に起因しています。東南アジアや他の地域で火力発電所が新設されたことは、世界の排出量が再び増加し始めた主な原因の1つなのです。ですから、私は日本の納税者が強いられている世界中に石炭火力発電所を多く新設するための補助金を禁じるため、日本人が政策転換を求める意見に深く敬意を表します。
結局のところ、サステナビリティ革命は産業革命の規模とデジタル革命のスピードを合わせ持つ可能性が高く、日本や京都が定評を得ているイノベーションやリーダーシップによってより大きな利益を得ることができる希望の宝庫です。そのためには各国間だけではなく、コミュニティ間の協力も必要となります。
パリ協定は確かに画期的でしたが、私たちはさらにもう一歩先へ行かなければなりません。コミットメントを高め、気候危機の規模に見合うように、より野心的な解決策を導き出さなければなりません。私たちは今、この危機を解決するための闘いにおいて転機を迎えています。私たちはこの闘いに勝利することができますが、各国政府がいま行動を起こすように圧力を強める必要があります。私たち人類の変化しようという政治的意思を疑う人がいるなら、政治的意思それ自体が再生可能な資源だということを思い出してください。
ご静聴ありがとうございました。
脱炭素社会の実現に向けて~世界の動向と京都の挑戦~
アメリカ合衆国 第45代副大統領 アル・ゴア ビデオ・メッセージ
こんにちは。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第49回総会開催中の非常に重要な時期に、このような声明を出す機会を与えていただいた京都佛立ミュージアムに感謝いたします。
IPCCは現在、包括的な第6次評価を実施しています。当然、今回も、この評価によって、気候危機の規模やそれを解決する喫緊の必要性に関して、人類の知識と理解が高まることでしょう。
今回のIPCC総会は、京都市と世界的な気候危機を解決するために努力してきた人類の歴史的な新しい1ページとなります。1997年に京都議定書が採択されたのも、もちろんこの京都市であり、それは気候変動に関する国際連合枠組条約を実施するための最初のステップとなりました。
京都議定書は、国際的な合意を実現するための共闘に新たな基準を確立し、後のパリ協定の礎となりました。パリ協定の革新的要素の1つは、各国が最善の努力を提示し、段階的な活動の強化を求めたことです。各国は、気候危機対策において、革新的かつ野心的であり続けなければなりません。
もちろん、日本も例外ではありません。東アジアの他の島国同様、日本は気候危機から多くの影響を受けています。まさに昨年の夏、7月23日に、日本では観測史上最も高い41.1℃を記録しました。熱波によって少なくとも77人が亡くなり、何千人もの人々が入院しました。言うまでもなく、海面は上昇し、台風はより強力で破壊的となり、高潮時の潮位は上昇し、豪雨や洪水が増え、熱波による損害が増加し、蚊やダニ、汚染水による感染症は変化してきています。これらは影響のほんの数例にすぎませんが、ただちに行動しなければさらに悪化することが予測されています。
日本は気候危機の解決を促進する世界的なリーダーとなり得ます。日本の人々はそのことを知っています。最近行われた日本の世論調査では、世界的な懸念事項のトップ2の1つに気候危機が挙げられていました。言うまでもなく、日本には太陽光発電の大きな可能性があり、風力発電に関しては多くが未開拓の市場で企業はそれを利用し始めたばかりです。ですから、今回のシンポジウムが、日本社会を脱炭素化するための重要な取り組みに焦点を当てていることを、私は非常にうれしく思っています。
官民の賢明なリーダー方は、経済成長がもはや多くの化石燃料を燃やすことに依存していないと認識されているでしょう。むしろ、真の持続可能な成長は、包括的な「サステナビリティ革命」に根差したものなのです。それは、クリーンエネルギーの仕事と投資の新しいうねりとなり、将来にわたってクリーンエネルギー経済に力を与え続けるものです。
今や、ほぼ世界全体において、太陽光や風力による電力は、化石燃料を燃やして作る電力よりもかなり安くなっています。それが理由の1つでもありますが、次のことを付け加えて差し支えなければご提案させてください。私は日本が他の国々で小型石炭火力発電所の新規建設に補助金を出すという、非常に破壊的な政策を見直すべき時が来たと思っています。このような慣行が続けられている理由をいくつか知っていますが、明らかに気候は地球共有で、日本への脅威は世界各地の地球温暖化汚染の増加に起因しています。東南アジアや他の地域で火力発電所が新設されたことは、世界の排出量が再び増加し始めた主な原因の1つなのです。ですから、私は日本の納税者が強いられている世界中に石炭火力発電所を多く新設するための補助金を禁じるため、日本人が政策転換を求める意見に深く敬意を表します。
結局のところ、サステナビリティ革命は産業革命の規模とデジタル革命のスピードを合わせ持つ可能性が高く、日本や京都が定評を得ているイノベーションやリーダーシップによってより大きな利益を得ることができる希望の宝庫です。そのためには各国間だけではなく、コミュニティ間の協力も必要となります。
パリ協定は確かに画期的でしたが、私たちはさらにもう一歩先へ行かなければなりません。コミットメントを高め、気候危機の規模に見合うように、より野心的な解決策を導き出さなければなりません。私たちは今、この危機を解決するための闘いにおいて転機を迎えています。私たちはこの闘いに勝利することができますが、各国政府がいま行動を起こすように圧力を強める必要があります。私たち人類の変化しようという政治的意思を疑う人がいるなら、政治的意思それ自体が再生可能な資源だということを思い出してください。
ご静聴ありがとうございました。
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