カルパのスピーチ
ありがとうございます。
スリランカより参りましたカルパ・ウダンタと申します。この機会を与えていただき、皆さまに感謝申し上げます。
言葉ができず申し訳ありません。私はネパール語もヒンディー語もわからず、英語もちょっとだけなんです。
しかし、この言葉だけはよく知っています。私はその言葉を18年以上、口にしてきました。それは7文字だけの言葉です。その言葉とは「南無妙法蓮華経」です。
今からお話しすることは私の人生に起きた実話です。
いま、私は38歳です。
私はスリランカの田舎に生まれました。とても貧しい村でした。そこでは星占いが強く信じられていました。
私が生まれた時、村の占い師は私がとても悪い運命のもとに生まれきたと言い、両親に「私を村から出しなさい」と告げました。
その後、両親は私を連れて、スリランカの首都・コロンボへと引っ越しました。
私がコロンボにある佛立宗のセンターに初めてお参りしたのは、20歳のときです。
そのときまでの20年間に、私たち家族は17か所もの借家を転々としました。20年の間にです。なぜか。家賃を払うことができなかったからです。
いつも住まいを見つけてはそこで2、3か月を過ごし、家賃が払えずに追い出される、これがいつものパターンでした。
子どものころ、私には年に2着しか制服がなかったことを思い出します。1着は国から支給をされるもの。もう1着は親戚から譲ってもらったものです。
ペンもなく、ノートもなく、いつも従兄弟のお古を借りて使っていました。ペンを借り、ノートを拝借して、という具合です。
勉強はしっかりして、学業を終えたら飛行機の技術者になりたいと思いましたが、これも両親にそのための大学の学費を出してもらうことはとてもできず、私は就職することにしました。
子どものころは、いつか、きっと自分の人生に何かの奇跡が起こってくれると、そう思って過ごしていました。
そして、そう、奇跡は起きたのです。奇跡が起きました。
スリランカ本門佛立宗が私を見つけてくれたのです。
多くの人が、「私がスリランカ本門佛立宗」を見つけたと思っています。しかし、実際のところ、スリランカHBSにとって、私はトラブルの種でした。私にご信心がなかったからです。ですが、先輩方は私を辛抱強く見守ってくださいました。
こうして私の人生の新しい幕が開きました。
私がしたことといえば、毎日朝と夜に「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経…」とお看経をいただいた、これだけです。
そして、御本尊さまに「より良い人生を与えてください!」とお願いし続けました。するとその奇跡が起きました。
なんと首都コロンボ圏内に2階建ての持ち家を建てることができたのです。仕事を始めて最初の2、3年は通勤にバスや電車などを使っていました。その後バイクを買い、次に小さな車、私の初めての車でインドのマルチ・スズキ社製でした、次にもう少し大きな小型車の「アルト」、さらには最新のハイブリッド・カーを買いました。
大学レベルの勉強も再開しました。イギリスの大学の卒業資格を3種類とり、国際認定トレーナーの資格を取得し、イギリスの大学院で経営管理の学位を取りました。そして今は経営学の修士、MBAのコースを受講しています。
私の人生は順風満帆、結婚をし、かわいい息子も授かり、すべてが順調でした。
2018年、今から6年前、スリランカ佛立宗20周年のご奉公をさせていただきました。その記念法要が終わって2、3か月たったころ、私は商売とお金の両面で、とても大きな危機に直面しました。
まず、大好きだったハイブリッド・カーを失いました。商売では市場シェアを失い、数百万円規模の大きな借金を背負うことになりました。そのときは息子のミルクを買うお金もなくなりました。
金融業者が返済を要求して、毎日家に押しかけました。私はそれまで自動車で通っていた道を、歩いて通わなければならなくなりました。それを見て、人々は私をあざけって笑うようになりました。
「もうカルパは終わりだな」
その人たちは言いました。貧乏な生活が2年間、再び戻ってきたのです。
しかし、私はどんなときも「これは御法さまからのメッセージだ」と思っていました。私は改めて熱を込めてお看経をあげさせていただくようになりました。心を入れたお看経です。そして、今までよりもっとご奉公させていただくようになりました。
3か月たつと、もう一度バスや電車に乗れるようになりました。一度、破産をした後、3か月で、もう一度バスや電車に乗れるようになったのです。しばらくしてスクーターが買えました。今でも持っています。1年後には、再び「アルト」という車を買うことができました。
丸2年がたったころには、なんと!私はメルセデス・ベンツを買っていました。2,500万ネパール・ルピーほどのものです。
会社では取締役会の選挙の結果、私は代表取締役兼CEOに選ばれました。借金もすべて払い終え、立派なオフィスを新築をできました。
再び幸せな生活に返り咲けたのです。
しかし、もし、「あなたがまじめにご信心をするようになって以降の人生で、一番良かった時期はいつですか?」と聞かれたら、私は「このあらゆる苦難にあった2年間です」と答えるでしょう。
それは、人生における幸せとは何かがそのときわかったからです。それはお金で買えるものではありません。幸せとは、希望が全くない、苦しく辛いときであっても、ブッダ、つまり御本尊が、守ってくださっていることを知る、ということなのです。
それを知れば明日何かを失うことを恐れなくてもよくなります。たとえ頂点からどん底に転落しても、すべてを失っても、信じることとご信心の実践を続け、ご奉公を続けていれば、必ず再起する機会を御法さまが与えてくださいます。これが幸せということです。
ある一つのお話を紹介します。村がありました。あるとき大変な干ばつが来て、大きなため池さえも干上がってしまいました。村の人々は絶望しました。水もない、食べ物もない。村人たちは一つの場所に集まって、彼らが祀る神さまに雨ごいのお祈りをしました。そのとき空には雨雲の影さえもありませんでした。ただ、一人の小さな子どもだけが傘を持ってやってきました。その子はただ信じていたんです。私もその子どもみたいな感じだったのだと思います。
なんの希望も見いだせなかったとき、お金もなく、チャンスもなく、大切に思ってくれる人もなく、ぞんざいに扱われる、笑いものになり、自分の家族や友人たちからも信用してもらえなくなり、とことんボロボロだったときにも、しかし、私には一つの希望がありました。私は御法さまを信じていました。私はどんなときも決して信心を投げ出しませんでした。
最後に、私が思うご信心の3つの秘訣をお話しします。
1つ目は、南無妙法蓮華経をお唱えをすることです。これは皆さん、もう知ってますすね。
2つ目は、お教化、ご弘通です。世の人々を最大限、このご信心にお引き合わせすることです。なぜか。
想像してみてください。道を歩いていて、大粒のダイヤが落ちています。あなたはそれを拾います。また別のダイヤがあって、それも拾う。これを繰り返すと、ダイヤがたくさんになります。両手はいっぱいです。ですが道にはまだまだダイヤがある。あなたはどうしますか?きっとお母さんやお父さん、近所の友だち、親戚、あなたにとって大切な人たちにダイヤを手にできるように、声をかけると思います。私を呼んでくださいとか、ここにいる方々を呼んでください、というのではなくて、皆さん自身のご親戚や大切な人々を呼ぶでしょう、ということです。皆さん自身が信頼する人々です。お教化とはまさにそういうことなのです。
あなたは南無妙法蓮華経を見つけました。あなたは南無妙法蓮華経を見つけました。ダイヤモンドのように最高の価値をもつものです。次から次にそれを見つけてあなたの両手はもういっぱいです。あなたは家族や友だち、大好きな人たちに声をかけねばなりません。彼らも御法のみ恵み、現証御利益をいただけるように。そうすれば、あなた自身が積む功徳は、何倍にもなるでしょう。
これが秘訣です。
この20年間で、私は100名以上の方をお教化しました。そして、死ぬまでに1万人をお教化したいと願っています。
3つ目の秘訣はご有志(寄付)を奉納することです。いくらするのかではありません。金額ではない。自分がどんな志を立てるかが大事です。私が最初にさせていただいたご有志の金額は40ネパール・ルピーでした。きっかり40ネパール・ルピー、最初はそれだけでした。
そのころの私の稼ぎはひと月4,000ネパール・ルピーでした。その後、ご有志の金額を400ネパール・ルピーに増やしましたら、稼ぎがひと月40,000ネパール・ルピーに上がりました。今では私は毎月欠かさず25,000ネパール・ルピーをご有志させていただいています。御利益も必ず、ギブ・アンド・テイク、まずはご有志の志を立てて御利益をいただくものなのです。テイク・アンド・ギブ、よくなったらご有志を増やすことではなく。
ご有志はお金だけに限りません。あなたの時間や努力、それらもご有志となります。
また、勘違いをしないでもらいたいのは、大きな金額をご有志したから御利益をいただく、ということではありません。それは、全然違います。
まず「南無妙法蓮華経」と自分でお唱えしなければなりません。そして人にもお勧めし、ご有志をする。口唱、ご弘通、ご有志。これが三つの秘訣です。このサイクルが大切なのです。
もしゼロ(zero)からヒーロー(hero)に、何者でもない自分から何者かになりたいなら、この佛立信心を続けてください。
最後に僭越ながら一つ問いかけをして終わりたいと思います。
私にできたのなら、どうしてあなたができない、ということがあるでしょうか。
ありがとうございます。
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