2015年5月2日土曜日

『スローバラード』と東日本大震災

スローバラード。

一度、ラジオでもお話したのですが、この、清志郎さんの曲が、東日本大震災の、最初の数日の思い出でした。

「市営グランド、駐車場、二人で毛布にくるまってー」

2011年3月18日の未明だったか、19日の朝だったか、昼過ぎだったか、気仙沼の小学校、中学校の、校庭のまわりをめぐる道沿いに、たくさんの車が並んでいました。

みんな、津波から逃れて、その車の中におられた。

そこに、ふと2人のカップルの姿が目に飛び込んできたのです。

フロントガラスが、曇っていたな。

長い時間、車の中にいたのだろうから。

毛布にくるまって、過ごしていたのだろうと思います。

そして、不謹慎かも知れないけれど、あの光景が脳裏に焼きついて、いつも、思い返すたびに、清志郎さんの『スローバラード』が思い浮かぶのでした。

ほんとうに、あの、4年前の、3月18日、19日の、気仙沼の光景、そこに肩寄せ合っておられた方々の姿は、忘れられません。

ネパールのこと、ほんとうに、何かさせてもらいたい。

これから起こるであろう、いろいろな災害を思うと、外国のことなんてしている場合じゃないという声も聞こえます。

でも、そんなことを言っていたら、いけませんよ。

それは、人間の言葉ではないです。

人間はね、見たら、聞いたら、動かないとダメなんです。

見て、聞いて、そのままにしたら、消化不良になってしまうんです。

仏教では、倫理、道徳で、善業をせよと言っているのではないと思います。

とことん、そういうものなのだと思います。

東日本大震災の校庭の側道で見た、軽自動車に乗っておられた、あの2人のことを、どうしても思い出してしまう。

今日は、忌野清志郎さんの、祥月命日ー。

7回忌です。

『スローバラード』の、イントロを聴いただけで、泣けてしまう。

せめて、同じ時代に、生きれてよかった。

僕は、中学校の、卒業アルバムに、清志郎さんが、飛んで歌っている姿を描きました。

もう、30年以上も、前のことですね。

今夜は、清志郎さんです。

『スローバラード』
作詞:忌野清志郎 / みかん
作曲:忌野清志郎 / みかん

昨日はクルマの中で寝た
あの娘と手をつないで
市営グランドの駐車場
二人で毛布にくるまって

カーラジオから スローバラード
夜露が窓をつつんで
悪い予感のかけらもないさ
あの娘のねごと聞いたよ
ほんとさ 確かに聞いたんだ

カーラジオから スローバラード
夜露が窓をつつんで
悪い予感のかけらもないさ
ぼくら夢を見たのさ
とってもよく似た夢を

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