2022年8月4日木曜日

「心のエネルギー革命」 妙深寺報 令和4年8月号 巻頭言 住職 長松清潤








「心のエネルギー革命」 妙深寺 住職 長松清潤


真実の仏教は人生に彩りを取り戻し、その景色を一変させます。


心一つで世界は灰色になったり、真っ赤に燃えてしまったり、光を失い真っ暗闇になってしまいます。


嫌なことを言われた、嫌な人に出会った、仕事を失った、事故にあった、病気になった。大丈夫だ、今日は調子がいいぞ、と思っても、そんなことが続いたら、冷静ではいられません。


実際イヤなことばかりで、どこにも行きたくない、誰とも会いたくないという人の話を聞きます。人間関係も誤解や勘違いだらけで疲れる。職場でも友だちグループでもしっくりこない。くたびれる。いっそ一人が楽だと思ったりする。仕事も先が見えない。少し先のことを考えると不安で仕方なくなる。


喜怒哀楽は人間らしさの一部ですが、浮いたり沈んだり、モチベーションを上げるのに苦労しながら生きている人、モチベーションが上がらずに毎日をしのいでいるという人がとても多くいます。


せっかくの人生なのに、疲れて、おびえて、枯れて、燃え尽きて、毎日をしのいでいるなんて、勿体ないことです。


もっと生き生きと、清々しく、いつまでも若々しく、いつまでも心も身体も健康で、喜びを忘れず、過ごしていきたい。疲れること、イヤなことが多い世の中、無常の人生でも、心豊かに毎日を過ごしてゆきたいものです。


私はその答えが真実の仏教にあると確信しています。御法門で教えていただくこと、その目指すところが心のエネルギー革命と言える、画期的なものだからです。


み仏は、私たちの心の中に十の世界があると説きました。地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上、声聞、縁覚、菩薩、仏。これらは価値観ではなく、心に広がる世界、一瞬一瞬の心の表情、状態です。


六道輪廻は死後の世界に限る話ではありません。慌ただしい自分の心の変化を見れば分かります。泣いたり、笑ったり、怒ったり。実に地獄から天上界までの六つの世界を行ったり来たりしています。


喜怒哀楽は人間らしさの一部だとしても、あまりに浮いたり沈んだりを繰り返していたらそれこそくたびれ切ってしまいます。


ですから、少しでも心を定めて、愚かで恐ろしく、儚く暗い状態にならないようにすべきなのです。


人間は、一人ひとり様々なモチベーション、エネルギー源を糧にして生きています。ある人にとっては「いい生活をしたい」という願望がモチベーション、エネルギー源かもしれません。家族を養う、家族を守るというモチベーション、エネルギー源もありますし、怒りや憎しみ、下心やコンプレックスが原動力、エネルギー源、モチベーションという人もいます。


世の中に、化石燃料や原子力、太陽光や風水力などのエネルギー源があるのと同じように、人生のエネルギー源もそれぞれに特徴があり、メリットからデメリット、コストやリスクがあります。


たとえば、怒りや憎しみ、ドロドロした欲望などはものすごい力を持っています。しかし、使い方を間違うと自分まで燃えてしまう、周りも燃やしてしまう。


志の高い、素敵な目標を持って頑張っている人もたくさんいます。しかし、逆にそうしたエネルギー源は怒りや欲望のモチベーションよりも枯れてしまうことが多く、トラブルやアクシデント、イヤな言葉や悪い出来事が続くと消えてしまったりします。


本当に、人生は難しいものです。モチベーションを保つこと。いい日も、悪い日も、自分も幸せで、他人も幸せにする心を育むこと。簡単なことは一つもありません。


しかし、御宝前に御題目を唱え、菩薩の誓いを立てるということは、暗い力に引きずられて落ちていく私たちの心の手綱を握り、簡単に沈まない明るい世界へ導いていただくための教え、修行なのです。


つまり、心にエネルギー転換を促す、心のエネルギー革命を起こす運動が私たちのご信心なのです。


どれだけ厳しい世界にあっても、どれだけ苦難や困難に直面しても、生きる力を失わない、エネルギー、モチベーションを失うことなく、清々しく、心豊かに生きてゆく。それが佛立仏教、佛立信心です。


私たちが目標とする菩薩こそ、クリーンで何の害もない、永久で不滅、持続可能なエネルギー源を持つ人です。


御教歌

「苦しみを楽しみとして行ずれば  難は菩薩の積功累徳」


菩薩は、苦しみや悲しみ、苦難や困難、大変なことをエネルギーとします。むしろそれを楽しみに変える、嬉しさに変えていく。


御教句

「うれしさは みのりのためにする苦労」


ともお示しです。苦労を嬉しさや喜びに転換しているのです。


通常、イヤなことがあればイライラする、ふてくされる、怒る、都合の悪いことがあったらやる気をなくす、あきらめる、投げ出す、逃げ出す。しかし、そうではなくなるというのが菩薩の心なのです。


高祖日蓮大菩薩、お祖師さまがこのお手本を実証実践して見せてくださいました。大難は四ヶ度、小難は数知らず、その全てを力に変えてご奉公なさったのです。


もし今、辛い、苦しい、悲しい、やる気がない、うまくいかない、と感じているなら、エネルギー源が問題なのかもしれません。そこを切り替えることが必要なのです。


今こそ、心のエネルギー革命を起こしてください。どう考えてもこれから加速度的に世界は変化し、流動性を増していきます。人生も厳しい局面、ネガティブな心境に陥ることが多くなると感じます。そのままであれば、イヤになって当たり前、やる気、生きる気力を失って当然ということになります。しかし、それではせっかくの人生が台無しです。もったいない。


どうか、あらためて、本気で、佛立仏教を実践させていただいて、心にエネルギー革命を起こしましょう。永久不滅クリーンエネルギーです。菩薩を目指し、ご祈願をし、御題目を唱え重ねて、そこに至ることができます。こんなふうに生きられたら、人生はもっと楽しい、人生に彩りを取り戻せるものです。


心にエネルギー革命を起こして、人生に彩りを取り戻す、心に力を取り戻す、強さや、しなやかさ、粘り強さを培って、みんなで幸せになりましょう。強く、明るく、楽しく、心豊かに、末法悪世の中を生き抜いて参りましょう。


不滅のモチベーションです。

0 件のコメント:

今日は飛行機、明日は電車

今日は飛行機を使わせていただいて、明日は小倉駅から新幹線、京都駅でサンダーバードに乗り換えて敦賀、敦賀で北陸新幹線に乗り換えて長野へ向かう予定です。 小倉から京都は591キロで148分、京都から敦賀は94キロで52分、敦賀から長野は353キロで110分だそうです(乗換案内さんが教...